金沢市議会 > 2009-12-14 >
12月14日-02号

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  1. 金沢市議会 2009-12-14
    12月14日-02号


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    平成21年 12月 定例会(第4回)           平成21年12月14日(月曜日)-----------------------------------◯出席議員(40名)     議長  高村佳伸          副議長 田中展郎     1番  不破大仁          2番  下沢広伸     3番  高岩勝人          4番  野本正人     5番  小林 誠          6番  川 裕一郎     7番  小阪栄進          8番  秋島 太     9番  大桑 進          10番  山本由起子     11番  角野恵美子         12番  粟森 慨     13番  清水邦彦          14番  松村理治     15番  久保洋子          16番  安居知世     17番  宮崎雅人          18番  黒沢和規     19番  福田太郎          20番  横越 徹     22番  山野之義          23番  上田 章     24番  新村誠一          25番  苗代明彦     26番  田中 仁          27番  松井純一     28番  森 一敏          29番  森尾嘉昭     30番  升 きよみ         31番  平田誠一     32番  増江 啓          33番  中西利雄     34番  安達 前          35番  井沢義武     36番  澤飯英樹          37番  玉野 道     38番  木下和吉          40番  宮保喜一◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長       山出 保     副市長      須野原 雄 副市長      森 源二 公営企業管理者  古田秀一     教育委員長代理  早川芳子 都市政策局長   立岩里生太    総務局長     丸口邦雄 産業局長     羽場利夫     産業局農林部長  米林憲英 市民局長     澤田 博     福祉健康局長   梶原慎志 環境局長     城下 謙     都市整備局長   出口 正 都市整備局             市立病院          前多 豊              山下義夫 土木部長              事務局長 美術工芸大学          大路孝之     会計管理者    上田外茂男 事務局長 教育長      浅香久美子    消防局長     二俣孝司 財政課長     相川一郎-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長     山森 茂                   議事調査 議事調査課長   宮田敏之              中宗朋之                   課長補佐 担当課長補佐   藤家利重     主査       上出憲之 主査       関戸浩一     主査       安藤哲也 主任       中村晃子     主任       守田有史 主任       石川岳史 総務課主査    越野哲正     書記       中田将人-----------------------------------◯議事日程(第2号)  平成21年12月14日(月)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成21年度金沢市一般会計補正予算(第3号)ないし議案第12号市道の路線変更について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ-----------------------------------     午前10時2分 開議 △開議 ○高村佳伸議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○高村佳伸議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○高村佳伸議長 これより、日程第1議案第1号平成21年度金沢市一般会計補正予算(第3号)ないし議案第12号市道の路線変更について、以上の議案12件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○高村佳伸議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 22番山野之義議員。   〔22番山野之義議員登壇〕   (拍手) ◆山野之義議員 おはようございます。質問の機会をいただきましたので、以下、何点かお尋ねいたします。 さきの政権交代以降、最も市民・国民の耳目を集めたものは、政治主導による渡り公認ともされる日本郵政の役員人事、及び財務省主導による、いわゆる事業仕分けと言われます。特に、事業仕分けについては、その手法等に賛否両論相まって、地方自治体首長だけではなく、ノーベル賞受賞科学者オリンピック選手までもが登場するという、まさに劇場型の様相を呈してきたこともあり、今日に至るまで大きな関心を集めています。そこで、まずは市長に今回の事業仕分けについて、そのやり方、内容、結果についてどのように感じておられるのか、また、本市においては、平成18年度より外部評価員を交えた事務事業評価制度を行っているところではありますが、その違い、参考になる点などありましたらお答えください。さらに、さきの石川県議会において、県事業において想定され得る影響も明らかにされましたが、本市においてどの程度の影響が見込まれるのか、「廃止」「予算縮減」「見直し」「地方移管」、それぞれ幾つの事業があり、どのような影響が想定されるのか、さらには、その場合の対応策等もあわせてお答えください。 前政権時代に成立した補正予算のうち、約3兆円の執行停止がなされましたが、まずは本市における具体的な影響はどのような形であらわれてくるのか。 また、年明け早々には7.2兆円もの新たな補正予算が成立すると思われますが、その動きを含めてお答えください。 さきの事業仕分け及び地方にとって重要な財源の一つである暫定税率の廃止、さらには財務大臣による各担当大臣との予算折衝を受け付けないとの言葉等々により、国はもちろん、地方においても、来年度予算がどのようになるかは、12月半ばの今となってもよく見えてこない状況と言えます。そうはいっても、いや、それだからこそ、本市としても予算編成作業に入っている折、予算のあり方の見直し、地方が求める予算編成の課題、論点を明確にしていくことが必要と思われますが、この点についてどのようにお考えかお聞かせください。さらに、国の動向が十分に見えない中、地方への影響をできるだけ回避すべく、国との対応をどのように考えているのか、具体的には、国と地方との協議機関が来年早々に法制化されるとのことですが、その中で、どのような意見表明をされていかれるのかお答えください。 さて、大阪府橋下知事の「ぼったくりバー」「奴隷制度」なる比喩で一躍脚光を浴びることになった直轄事業負担金全国知事会においてもこの負担金の廃止を求め、前原国交相、原口総務相ともに前向きな考え方で既にその実行を明言されています。一方、都道府県が市町村に対しても同じような負担金を求めていることも、廃止が求められてくるのは当然のことと言えます。本市においても、本年度予算において、4事業総額6億3,000万円もの負担を強いられています。大阪、静岡、和歌山、岡山等々、幾つかの府県では、既にその廃止も決め、全国の多くの知事も見直しを検討しているとのことです。しかしながら、石川県においては、報道によると知事は極めて慎重な姿勢であるということです。鳩山首相は、鳩山政権の一丁目一番地は地方分権、地域主権と述べられています。このテーマは、まさにその第一歩の試金石と言えますし、本市としても県内市長会、さらには全国市長会等を通して、さらなる要望をしていくべきと思われますが、いかがなものでしょうか。 次に、この秋1カ月にわたり、市内に点在する金澤町家を舞台にした「町家巡遊2009」が開かれました。金沢というまちにおける町家の価値を多くの方たちが体感し、その意義を再認識する機会となりました。そうはいっても毎年、金沢市内においては200軒から300軒もの町家が取り壊されています。その理由の一つとしては、需要と供給のミスマッチ、つまり、金澤町家における流通の整備がなされていないということが挙げられます。実際、町家巡遊の中で行われた第3回全国町家再生交流会金沢大会の中で、私も出席しましたが、「不動産業者との連携のあり方について」という分科会においては、不動産業者は意見発表者の1名しか出席していなかったということがその象徴的な例と言えます。町家の所有者からすれば、流通に資するものであるかどうか疑わしい状態では、しかるべき経費をかけてその修復・維持にまではなかなか踏み切ることはできません。しかしながら、この景気状況の中、不動産業者にとっても新たな市場にもなり得る町家に関心をもってもらうチャンスかとも言えます。この際、改めて業界に働きかけていくことも必要かと思われますが、いかがなものでしょうか。 また、町家活用の新たな試みとして、国交省の補助事業「住まい・まちづくり担い手事業」の採択を受け、この秋から留学生2名が日本人学生1名とともに寺町の町家で共同生活を始めるという、いわば金澤町家版ドミトリーが始まりました。これは、第1に空き町家を有効活用でき、その維持存続に資すること、留学生に日本文化、とりわけ地方都市の生活文化を体験してもらえること、さらに若い学生が生活することで、高齢化したコミュニティーに活力がもたらされること。まさにその効果は、一石三鳥と言っても過言ではありません。このほか、幸町の町家では、町家再生活用モデル事業の改修費補助を受け、来春、日本人女子大生1名と女子留学生2名が共同生活を始めるということです。このように、学生のドミトリーがまちなかに幾つもできることにより、さきに述べた一石三鳥のより広い範囲での効果が期待されます。上記補助事業は今年度限りで終わってしまうということですが、その継続が強く望まれます。さらに、本市には、まちなか定住を促すべく住宅リフレッシュ支援制度があり、これはあくまでも本人が住まいをするということを条件とされていますが、本来の目的がまちなかに人が住まうということを考えれば、この制度の運用拡大がなされてもしかるべきと思われますが、あわせてお答えください。さらに、今ほど提案しました幾つかの施策を網羅した、町家を改修し、コミュニティーを活性化するものに対する新たな支援制度があってもよいと思われますが、いかがなものでしょうか。商店街活性化施策として、都心軸沿線にファッション関連のテナントが進出するに際し、その入居を支援する制度がありますが、これを町家ドミトリーに置きかえて、コミュニティーの活性化と町家の活用という観点から、一定期間の家賃補助を行ってみてはいかがでしょうか。 最後に、冒頭に挙げました不動産業者、大学、金融機関、そして金沢市とで町家コンソーシアムのようなものを組織して、このドミトリーに取り組もうとする町家の持ち主の方はもちろんのこと、どのような形であれ、町家を修復し、維持し、活用していこうという動きを後押しすることが必要と思われますが、いかがなものでしょうか。さきに開かれた金沢創造都市会議においても、「金沢弁のまちづくり」の実践の一つとして、金澤町家の活用も注目をされていました。ぜひその具体策の提案として、前向きな御答弁を期待いたします。 次に、金沢の子どもの健全育成に資するため、全国でも珍しい福祉と教育の連携を目的として、教育プラザ富樫が開設されて6年が経過いたしました。プラザができたころは、虐待、いじめ、不登校の問題においては、少なからず発達障害に起因することがあるとされ、その支援がプラザの重要な役割の一つとして期待されました。例えば、学校の担任の先生や校長先生にはなかなか理解をしてもらいにくい、相談しにくいという子どもの親御さん、もしくは子どもが幼児期で、今後のことを考えるととにかく不安にさいなまれているという親御さん、そんな方たちがプラザの専門の先生方に相談に乗っていただくという、そういうニーズにこたえる存在でもありました。さて、福祉と教育の連携と言われる中で、最も具体的な事例としては、発達障害があると思われる子どもについて、幼児期から小学校に上がる際、プラザにかかわっておられる心理士、保育士、専門家の方々にその子の状態をしっかりと評価していただき、進学する学校にきちんと伝達するということが挙げられます。子どもによって一人一人行動や症例が違い、難しいことが多く大変な仕事かと思われますが、それだからこそ、そういった対応がシステムとしてなされることこそがプラザの存在意義と言えます。教育と福祉の連携はしっかりと担保されているのか、それぞれが二本立てになって活動をしてはいないのか、設立6年を過ぎた今、改めて検証することが求められていると思われますが、いかがなものでしょうか。あわせて、今後の課題も含めてお答えください。 さきに述べました、極めて専門的な知識・経験が求められている施設であるだけに、専門スタッフの方のみならず、事務サイドサポート体制の充実も求められてきます。これまでも努力をされてきていることは十分承知の上ではありますが、それにしても、開設6年にして施設長が既に4人目というのは、余りにも異動が激し過ぎではないでしょうか。その引き継ぎ等は十分なされているとは思いますが、冒頭に述べましたように、専門的な目的を持った施設であるだけに、いま一度設立の趣旨に立ち返り、役所の一ポジションという行政側の視点だけではなく、本当に困った方たちの相談場としての役割を念頭に置いた事務サイドの体制が求められてくると思われますが、いかがなものでしょうか。 この施設は、子どもにかかわる団体には会議室等無料で貸し出されるということもあり、設立以来、相当広い範囲の団体が登録されているということです。現在では、その登録団体数も相当な数に上ると思われます。これまでも登録団体の見直しが行われているとは思いますが、いま一度、団体の趣旨、さらには使用実態の精査が求められてくると思われますが、いかがなものでしょうか。 最後に、金沢ゆかりの映画についてお尋ねします。 高峰譲吉博士をモデルにした「さくら、さくら」、ベストセラー「武士の家計簿」が原作の同名の作品。金沢をゆかりとした映画が、来年には2本立て続けに上映されるということです。石川県を舞台にした映画としては、「ゼロの焦点」「釣りバカ日誌」「能登の花ヨメ」等は記憶に新しいところでもありますし、アニメ映画「パッテンライ!!」により、主人公八田技師を通した地域への思い、さらには台湾との交流に大きな役割を果たしていることは御案内のとおりです。まずは、この金沢が主な舞台になる「さくら、さくら」及び「武士の家計簿」への期待、さらには、本市として、どのような協力支援体制が考えられるのかお答えください。 さて、「さくら、さくら」のモデルである高峰譲吉博士は、タカジアスターゼの抽出、アドレナリンの結晶化でその名が知られています。タカジアスターゼは、まさに博士の功績であることは間違いありませんが、アドレナリンに関しては、実は博士本人の仕事ではなく、博士の研究所に勤める上中啓三研究員が、単独で行った研究成果であると言われています。確かに、研究課題そのものは高峰博士の研究所が請け負ったもので、博士の研究所において博士が雇用していた研究員の仕事であり、広義では博士の功績であることは間違いありません。実際、当初は高峰博士と上中研究員の連名でその研究成果が発表されました。しかしながら、その特許申請に際しまして、高峰博士一人の名前とされてしまったがために、上中研究員の名誉は歴史の中に埋もれてしまうことになりました。誤解のないように申し上げますが、私は、高峰博士の業績に異を唱えようとするものではありません。この時代、労働法や人権なるものに対する認識も、研究所のあったアメリカの社会においてでさえ、全く定着していなかったようなころです。博士のとった行為は、当時としては当然のことであり、むしろ前途有為な若い研究員にチャンスを与えたという、博士生来の人間性を評価すべきものと言えます。さて、上中研究員の出生地、西宮市にある菩提寺、教業寺において、彼のアドレナリン発見の顕彰碑が建立されていますが、ほとんど訪れる人はいないということです。高峰譲吉博士に改めて光が当たるであろうこの映画の上映を機に、いま一度、共同研究者でもある上中研究員に敬意をあらわす、例えば、本市が毎年行っている博士の誕生日である11月3日の献花祭に関係者を招待するなりの、何か働きかけが金沢市側からあってもよいのではないでしょうか。そうすることによって、高峰博士はもちろん、博士を郷土の偉人としていただく私たち金沢市民にとっても、より一層アドレナリン発見の価値が高まるのではないでしょうか。 一方、「武士の家計簿」は原作自体がベストセラーであること、松竹という大手配給会社制作であること、さらには監督、出演俳優ともビッグネームが連なっていることなどからも、全国的なヒットが期待されるものでありますが、そのブームを継続させる施策も必要かと思いますが、その施策を具体的にお伺いいたしまして私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。   (拍手) ○高村佳伸議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 22番山野議員にお答えをいたします。 まず、今度の事業仕分けのやり方、内容、結果等について、所感を述べよということでありました。税の使い道に対する国民の関心が高まったということは事実だと思います。また、行財政改革を推進するための新しい試みといたしまして、評価はしたいと思っておりますが、費用対効果の議論だけではかることが難しい事業もあるわけでございまして、こうした事業が仕分けの対象に含まれておる、そういう意味で課題もないわけではない、このように思っております。また、港湾整備でありますとか、道路・河川の事業等は縮減等の対象にされましたほか、下水道事業まちづくり交付金、この仕事が地方移管ということになっておりますが、国の予算編成の過程における推移、そういうもの次第では地方の事業執行に影響が及ぶというふうに思っておりますことから、推移は十分見きわめて、そして適切に対応してまいりたい、このように思っています。 金沢市の事務事業評価制度、これとの違いは何かというお尋ねでありました。本市は毎年度、すべての事務事業を対象にいたしまして、庁内におきまして、事業効果等についてさまざまな角度から評価を実施しているところでございます。その中の一部の事業につきましては、学識経験者、それから公募委員、こうした人たちから成る第三者の評価委員会で、市民の視点からの再評価をいただいているところでございますが、公開の場で行われていないという点は国とは違っておると、このように思っております。 金沢市へ想定される影響についてお尋ねになりました。21年度の当初ベースで、事業からいいますと104の事業、それから金額にしますと300億円余が仕分けの対象になるわけでございますが、このうち、どれだけ削減等がなされるかは未定でございます。今後の動向を見きわめながら、対応しなければなるまいと、こう思っています。ただ、地方の実情を踏まえないで、効率化だけのために予算を削減するということは、私はあってはならないこと、このように思っておりますし、また、こうしたことが地方の疲弊につながるということでもありますので、あってはならないと思っております。市として必要な事業費の確保につきましては、全国市長会、あるいは要望活動を通じまして、国に求めてまいらなければいけないと、そのように思っておる次第でございます。 次に、国の補正予算のうちの執行停止のことにお触れでございました。これの本市への影響につきましては、今のところ、子育て応援特別手当の追加分、それに学校情報教育機器整備費、こうしたことなど4つの事業で5億円程度というふうに思っておりますが、このうち4億6,000万円が子育て応援特別手当でありますことから、それほどの影響はないと、このように思っています。また、国の第2次補正予算におきましては、雇用とか環境とか、あるいは景気、生活の安心確保、地方支援を柱といたしまして、緊急経済対策が過日閣議決定されたところでございます。その詳細が明らかになりますれば、市としてもこれに呼応しまして、必要な景気・雇用等の対策経費の追加をお諮りしてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。 次に、難しさを増す金沢市の明年度予算編成、これにどのように取り組むのかというお尋ねでありました。公共事業の削減が予想される、子ども手当の創設、高校授業料の無償化、農家の戸別所得補償、それから新しい医療保険制度の設計、こうしたことが検討されておるわけでございますが、何分にも詳細はまだ明らかにされておりませんで、これからだというふうに思っております。年末の政府予算が決まるということを想定いたしまして、これに向けて情報の収集に万全を期しまして、適切に対処してまいりたいと、このように思っております。加えまして、景気・雇用情勢には依然として厳しいものがございます。したがいまして、市税収入に多くを望むことはできぬわけでありますから、行財政改革の徹底を期さなければいけませんし、施策の重点化、これにも努めなければいけませんし、テクニックといたしますと、有利な起債とか基金の活用、こういうことをいたしまして、財源の捻出に努めてまいりたいと、このように思っています。 次に、国と地方との協議機関のことにお触れでありました。地方分権を進めるに当たってのポイントは、私はこのことだというふうに思っておりまして、かねがね、また最近でも、市長会等の場でこのことを主張してきておるわけであります。こうした場での協議ということになりますれば、私は、まずは地方交付税など必要な一般財源総額の確保、これが大事だというふうに思っております。あわせまして、地方交付税の財源調整・財源保障機能の強化、それから交付税特別会計に繰り入れる法定率の引き上げ、それから地方交付税にかわる、かねてからの地方共有税の創設、こうしたことに加えまして、地方税の拡充強化、こういうことが求められると、このように思っておる次第でございます。 次に、県の直轄事業負担金にお触れでございました。全国市長会では、ことしの7月でございますが、都道府県事業に係る都市負担金を最終的には廃止をするように、抜本的な見直しを求めるところの要請を全国知事会に行っております。県内市長会にありましても、県営事業負担金の見直しにつきまして、既に県に要望を行っているところでございます。今後、事業の経緯等もあるわけでございますが、こうしたことを踏まえながら、見直しに向けた議論をしていかなければいけないと、このように思っております。 次に、町家の活用についてお触れでございまして、まずは不動産業者との連携を御指摘になりました。町家は、歴史都市金沢の貴重な資産でございます。その継承と活用がまちの魅力を高める上で大変重要と、このように思っております。そのためには、町家の流通促進が必要でございます。平成17年に宅建協会、それから建築士会と連携をしまして、かなざわ町家情報バンク、こうしたものを開設したところでございます。その後も意見交換を重ねてきておりまして、宅建業者、それから建築士の方々と流通取引に係る勉強会を立ち上げる準備を進めております。より一層の流通促進を図る具体的な方策を検討してまいりたいと、このように思っています。 町家ドミトリーのことにつきましては、まずは都市政策局長からお答えをいたします。私からは、新たな支援制度を考えてはどうかという御指摘がありました。職と住が近接する町家は、金沢の文化的景観そのものというふうに思っています。町家の利活用は、まちに創造的な活動を生み出す等の意義は大きいというふうに思っておる次第でございます。留学生が住まうところの町家ドミトリー、これも含めて、町家の継承・活用を図るために、総合的な支援策を検討したいと、このように思っています。 後押しをすべきだと、このような御指摘でございました。他都市の事例を研究しまして、課題を分析もしたいと、こう思っております。同時に、これまで、町家の所有者を初めといたしまして、住んでいる人、それから職人のほかに、大学関係者、不動産業界、金融機関、法律関係者等から意見を伺っております。こうした関係者と連携をした組織、これを設けることはできぬだろうかと。あわせて、庁内体制のあり方についても、具体の施策として積極的に検討してまいりたいと、このように思っております。 金沢ゆかりの映画について、市の協力支援体制を考えているかというお尋ねでありました。御指摘のとおり、映画は観光誘客にとって効果的な素材になると、こう思っております。近年は、これまでの名所旧跡を訪ねる定番型の観光から、例えば映画のロケ地を訪ねる、こういうふうなテーマ型の観光が脚光を浴びてきております。撮影スポットが観光の名所になるという傾向もあるわけであります。今までも進めてまいりましたが、これからも金沢フィルムコミッション、これを通じまして、撮影候補地の情報提供、宿泊先、それから備品の調達先、こうした紹介、それから映画の撮影がスムーズに進むように、いろんな面で協力をしていきたいと、こう思っております。 高峰譲吉をテーマにした映画、このことに関連をしまして、上中研究員のことにお触れでありました。アドレナリンの発見が、実験助手であられました上中研究員の尽力がなければなし得なかったということは理解をしています。これから、ふるさと偉人館におきますところの高峰譲吉についての企画の中で、まずは上中研究員が果たした役割の紹介、こうしたことなどを検討してまいりたいと、そのように思っています。 「武士の家計簿」についてもお触れでございました。著名な監督と人気俳優の起用によります映画化でございます。多数の映画館での上映が予定をされているというふうに聞いています。過去の御当地映画以上に、ふるさとの歴史とか文化、これに密接にかかわっておって、地域の魅力発信が期待できるというふうに思っています。観光の誘客増加、こういうことにつなげたらというふうにも思っておる次第でございます。このことに関連しまして、ブームを継続していくことの大切さを御指摘になりました。何よりも、金沢を訪れた方にいい印象を持って帰っていただいてリピーターになってくださる、これが大事だと考えていまして、観光業界の方々を対象とした研修等の機会を通じまして、今後とも、何よりももてなし力の向上、このことに励んでまいりたいと、このように思っています。 ○高村佳伸議長 立岩都市政策局長。   〔立岩里生太都市政策局長登壇〕 ◎立岩里生太都市政策局長 金澤町家再生活用モデル事業の継続についてお尋ねがございました。平成20年度から2カ年にわたって実施している金澤町家再生活用モデル事業では、店舗・工房・ギャラリー・ドミトリーなど、幅広い町家の事業提案がなされ、既にオープンした店舗やギャラリーには、多くの関心が寄せられております。その効果や課題などを検証し、単なるモデル事業で終わらせることなく、採算性ですとか流通過程なども含めまして、民間における町家利活用の推進に向けた今後の展開を検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ○高村佳伸議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 教育プラザについて御質問がございました。福祉と教育の連携はとれているのか、再検証が求められているのではないか、また、今後の課題はとのお尋ねでございました。教育プラザでは、発達障害が疑われるお子さん等について、福祉と教育が連携して幼児相談室での発達相談や専門相談、巡回相談、教育相談などを行い、幼児期から学齢児期にかけての一貫した相談支援に取り組んでおります。特に、幼児期から小学校へつなぐ際の適切なコーディネートが大切であると考えております。今後は、保育所、学校、専門機関などとのネットワークの強化を図るとともに、相談員の専門性の向上にも一層努めてまいります。 相談の場としての役割を念頭に置いた事務サイドの体制が求められると思うがどうかとのお尋ねがございました。教育プラザ富樫のスタッフについては、事務サイドのスタッフも含め、相談部門の専門性、特殊性を考慮しながら配置してきております。教育プラザの設立意義は、6年たった今も大きいと思っております。今後とも、その設立趣旨も踏まえ、適材適所に努めてまいります。 登録団体について、いま一度、団体の趣旨、さらには使用実態等の精査が求められてくると思うがいかがかとのお尋ねがございました。教育プラザの登録団体数は、現在、約1,400団体に及んでおります。平成20年度からは1年ごとに登録更新を義務づけ、その際には、団体の設立趣旨と活動内容等を再確認し、子どもの健全育成にかかわる団体かどうか精査しているところでございます。今後とも適切に対応してまいります。 以上でございます。 ○高村佳伸議長 12番粟森慨議員。   〔12番粟森 慨議員登壇〕   (拍手) ◆粟森慨議員 12月1日に金沢民主議員会が誕生いたしました。新政権発足後、政権与党の中核をなす民主党と同じ「民主」の冠を載せた会派は、石川県内の議会において初めての誕生であり、これから政権与党に連なる会派として邁進してまいりたいと存じます。 まず初めの質問は、明年度予算編成と行政刷新会議への対応についてであります。 我が国の経済は、持ち直しの兆しが幾分見え始めているものの、失業率は高い水準で推移し、株安・円高が進行するなど、依然として予断を許さない厳しい状況下にあると言っても過言ではありません。このような現下の経済・雇用情勢に対応するため、新政権は、平成21年度の第2次補正予算を提出することにより、平成22年度予算との切れ目のない経済財政運営を目指しております。さらに、人間のための経済への移行を目指すことを掲げており、今後の財政運営は、雇用・環境・子どもに重点を置き、これらを通じた景気の浮揚と将来の成長を目指していくことが示され、その実現が期待されております。このような「コンクリートから人へ」という理念に象徴される新政権の税金の使い道と予算編成のあり方は、これまでの政権から大きく方向転換しております。そこでまず、新政権への期待についてお伺いするとともに、この方向転換によって、これからの本市の政策に影響は生ずるとお考えかお尋ねいたします。 さて、税収の動向でありますが、急激な景気の後退により、国・地方を問わず、税収が大幅に減少することが予測され、国では赤字国債の発行や各種基金の取り崩しなど、その穴埋めに苦慮されているのが現状であります。本市にあっても、平成21年度の当初予算での市税予算は、昨年度を40億円下回る795億円でございましたが、今日の厳しい財政状況下、法人市民税を初めとした今年度の税収見込みについて、どの程度の減収になるとお考えなのかお聞かせください。あわせて、今後、経済状況の回復がおくれると、明年度も厳しい予算編成になることが考えられますが、明年度の市税収入の見込みと、それに伴う予算編成上の課題についてお聞かせください。 ところで、市長はこの4年間、創造都市・歴史都市への取り組みなど、常に新しい挑戦をすることで、魅力あるまちづくりに心を砕かれてこられましたが、明年度予算編成は、山出市長にとって20度目、また今任期中、仕上げの予算編成になります。そこで、残された1年の任期にどのような思いで市政運営に当たられるのか、また、明年度予算編成にどのような方針で取り組まれていかれるのか、その熱い思いをお聞かせください。 次に、先月、国で実施された2010年度の概算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の事業仕分けについてでありますが、この作業は、過去に国が無軌道に発行してきた国債の債務残高が860兆円を超えたことから、国民生活を支えながらも無駄を省き、国債の発行を最小限に抑えることが目的で行われたことを、まず述べておかなければなりません。さて、この作業は、95兆円を突破した概算要求を削減することに関心が集まりがちでしたが、国民に開かれた作業がなされたことで、予算の透明性が高まり、また中央省庁の既得権益の絡んだ無駄に切り込むことなどで、これまで知り得なかった国の予算や外郭団体の多さに驚嘆させられたことを初めとし、総じて国民からの評価も高く、国民目線での改革が始まったと考えられます。一方で、仕分け対象に聖域を設けず、診療報酬や地方交付税交付金、科学技術や文化・芸術の分野に関する経費などにも切り込んだ結果、さまざまな意見や波紋を生んでいることも事実ではありますが、今後の国会審議を通じて、真に必要な事業への予算編成が行われることを切望するものであります。そこで、国が実施した事業仕分けについて、市長はどのような感想を持たれたのか、また、本市への影響はどのように推測されるのかお聞かせください。 一方で、事業仕分けにより、下水道事業まちづくり交付金など、「地方への移管」との評価を受けた事業もありますが、地方分権推進の立場から地方をリードされてこられた市長にとって、国からの事業移管とその評価をどのように受けとめ、これからの地方分権に真に役立つものとするために、どのように国と対応を協議していかれるのか、お考えをお聞かせください。 ところで、これまで地方独自でも事業に対する評価をされてこられましたが、市税収入が当初の予測を大幅に下回ることが予測される折、中期財政計画との整合性を図ることも重視していかなければなりません。そこで、事業の見直しや市税見込みの動向を中期財政計画にどのように反映させ、財政運営に役立てていかれるおつもりなのかお伺いいたします。 質問の第2は、本市の環境政策についてであります。 去る9月に鳩山首相は、国連本部で開催された国連気候変動サミットにおいて、すべての主要排出国が削減の努力に参加することを条件として、日本の温室効果ガスの削減目標を、2020年までに1990年比で25%削減すると国際公約として表明し、国際社会から高い評価を受けました。一方、本市においては、この政府の削減目標が公表される前の本年3月、第2次環境基本計画を策定し、具体的な計画・目標を掲げられましたが、さきの本会議においてのこの議論では、「これからの国の動向を注意深く見守っていきたい、そして必要に応じて見直していく」と答弁されておられます。当然のことながら、地方の環境計画は、国の計画を基軸に置きながら策定していくことが求められてきますが、これまでの国・県・市の温暖化対策における計画の整合性や関連性は、市民にとってわかりづらいものが多く見受けられます。この理由の最たるものは、具体的な削減目標を掲げて取り組まれても、温室効果ガスが目に見えず、成果が実感しにくいところにあり、このことから、今後の本市の環境政策では、温室効果ガスの「見える化」に取り組むことも求められてきます。まだ本市の第2次環境基本計画の実践は、緒についたばかりではありますが、これらの事柄を踏まえ、今後、国の政策に呼応した環境政策の見直しを進めていくことについて、どのようにお考えなのか、加えて、これから本市独自の目標を設ける際の基準をどこに置かれるのかお伺いいたします。 また、これから環境問題に取り組んでいくためには、環境教育についても重視していかなければなりません。地球温暖化や廃棄物問題、身近な自然の減少など、現在の環境課題を理解し、持続可能な社会を構築するには、行政のみならず、市民・事業者・民間団体が積極的に環境保全活動に取り組むことが必要であり、しかも幼少期からこの教育に取りかかることも重要であります。そこで、これまでの環境教育への取り組みについてお伺いするとともに、今後の取り組みへの展望があればお聞かせください。 ところで、これまで地球温暖化防止のための取り組みは、経済成長を妨げるとされておりましたが、脱温暖化ビジネスを広げていくことで、環境と経済の両方の危機を同時に克服していく、いわゆるグリーンニューディール政策にも、近年、注目が集まっております。太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの利用を進めることで、グリーン内需を拡大し、雇用を生み出す効果もあるとされている太陽光発電に対し、本市も独自で住宅用太陽光パネルへの助成をされておりますが、利用拡大に向けた今後の取り組み、また、公共施設での太陽光発電の設置について、今後どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。 質問の第3は、指定管理者制度についてであります。 この制度は、多様化する住民ニーズに、より効果的・効率的に対応するため、公の施設の管理に民間のノウハウを活用しつつ、住民サービスの向上を図ることや、経費の節減などを図ることを目的に、平成15年の地方自治法改正により創設された制度であることは周知のとおりでございます。地方行政改革の推進の潮流とともに、三位一体改革による地方交付税の削減や長引く景気の低迷などで、地方自治体の財政運営は厳しい状況下に置かれていることからも、本制度は所期の目的を達成するために、より一層の施策の推進に努めていかなければなりません。本市においても、平成16年からこの制度が導入され、現在、218の施設で管理運営されておりますが、そこでまず、おおむね1期目を終了するこの制度が、本市の財政運営への影響や住民サービスの向上など、所期の目的にどの程度寄与することができたとお考えかお伺いいたします。 一方、多くの指定管理施設が明年度に2期目の選定を迎えることで、現在、その選定作業が行われているとお聞しております。次期指定管理者の選定時には、1期目の指定管理者の実績をいかに評価し、新規の応募団体との比較を行うことや、これまでの課題に対する成果というものを十分に検証し、総括しなければなりません。また、他都市の動向や研究団体から指摘を受けている事柄などを参考にしながら、本市の指定管理者の選定基準・方法を改善していくことに加え、選定に至るまでの情報公開を進めていくことも今後の課題になってくると考えられます。加えて、指定管理者のモチベーションを維持・向上させるインセンティブの付与を重視する観点から、利用料金制についても導入していくことが当然求められてくるものと考えます。そこで、制度導入後5年間の経験を踏まえ、2期目の選定に向けて、どのようなことに重点を置き、改善を図られていくのかお聞かせください。 さて、本市の指定管理者のうち、外郭団体が4割強を占めておりますが、110年ぶりの大改革と言われる公益法人制度改革関連3法が、昨年12月に施行されたことで、現在の社団・財団法人は、その公益性などに応じて、5年以内に「一般社団・財団法人」、もしくは「公益社団・財団法人」のいずれかに移行しなければならないことから、外郭団体を取り巻く環境は、現在過渡期にあると言えます。公益認定においては、指定管理業務が収益事業とみなされるか否かが問われることで、その判断次第では、外郭団体の組織や経営のあり方について、抜本的な見直しが迫られることになります。このことを見据えて、本市においても、外郭団体改革に向けての基本指針を策定し、改革の期間を平成17年度から5年間設けて、各外郭団体が経営改革実施計画を策定するなど、改革の推進に当たってこられたとお聞きをしております。そこで、これまでの公益法人制度改革の進捗状況とあわせ、今後の外郭団体のあり方について、どのようにお考えか御所見をお伺いするとともに、指定管理者制度への影響をどのように考えておられるのかお聞かせください。 質問の第4は、公契約条例についてであります。 過去に、本市でも、公共事業における競争入札で過当競争による安値受注が深刻化し、その結果、受託企業の経営を圧迫しただけではなく、そこに働く労働者の賃金・労働条件の著しい低下を招くといった問題が生じており、さらには、安値落札による品質の低下が、結果的に住民サービスの低下につながるといったことが危惧されました。本市としても、これまで独自に入札制度改革を進めてこられましたが、そこでまず、これまでの本市がとられてきた対応とその結果について、どのように受けとめておられるのか御所見をお伺いいたします。 このような状況を受け、本市議会を初め、これまでに多くの地方議会が労働者の適正な賃金や、労働条件を確保するための公契約法制定を求める意見書を採択しておりますが、残念ながら、いまだに法整備に至っていないのが現状であります。一方で、去る9月29日、千葉県野田市議会では、公共工事や業務委託を受注する企業に対して、一定水準以上の賃金支払いを義務づける全国初の先駆的・画期的な公契約条例案を全会一致で可決いたしました。この条例で注目すべきは、最低賃金法の縛りにこだわらず、設計労務単価の約8割を基本に、最低賃金を市が独自に設定したことであり、これに加え、連帯責任や損害賠償の罰則規定など、受注者に条例の履行を担保させるものとなっております。野田市の根本市長は、「国に公契約法の制定を要望したが放置されてきたため、先鞭をつける意味で条例を制定した。ほかの自治体にも広がることで、国を動かすことを期待した」とコメントされておられます。確かに、野田市1市だけが条例を定めても解決できる課題ではなく、国が法律を規定することが重要であり、これまでの本議会の議論においても、国の動向を注視していくとした本市の態度を理解できないわけでもございません。しかし、こうした画期的な取り組みに対して、他の議会も追随していくことが、結果的に法整備の後押しの一助になるものと考えられます。市長は常々、地方分権の意義を唱え、「国がやらねば地方がやる」という気概を持つことを主張してきたお立場から、今回の公契約条例の制定をどのように受けとめ、本市として、今後、設計労務単価と最低賃金について、どういう立場で検討し守っていかれようとするのか、改めて御所見をお伺いし、質問を終わります。   (拍手) ○高村佳伸議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 12番粟森議員にお答えをいたします。 まず、新政権に対する期待と対応についてお尋ねになりました。私は、政権交代を選択したのは国民であると、なぜにと、この事情を真摯に踏まえるべきだというふうに思っています。自由が過ぎますと平等はなくなります。平等が過ぎますと自由がなくなるわけでございまして、この二律相反する課題のかけ橋が博愛ではなかろうかと、友愛ではなかろうかと、このように思います。   〔議長退席、副議長着席〕 大きい政策転換が予想されますと、そういう意味では試行錯誤もあるというふうに踏まえます。まして、国家財政におけるところの巨額の債務残高に加えまして、ここに来て急激な税収減、これがあらわになってきたわけであります。そういたしますと、地方財政への影響ということは十分予想されるところでございまして、それだけに自治体としては知恵を絞らなければいけない、工夫を凝らさなければいけない、このように思います。 税収と予算編成をお尋ねでありました。雇用が悪化する、円高・株安、この影響が出ている。そういたしますと、個人市民税のほかに、法人市民税が大きく落ち込んでまいります。法人市民税では、とりわけ金融・保険、建設、製造業、こういう分野での落ち込みが大きいわけでございまして、本年度の市税全体での決算見込みは、現時点で当初予算に比べまして、10億円くらいを超えるそういう減額になる予想をしています。国も地方も同様の傾向だと、このように思います。明年度もこうした状況は、私は続くというふうに思いますので、予算編成もやはり厳しさを増すであろうということであります。そういたしますれば、行財政改革の徹底、施策の選択と集中、そして技術的には起債・基金の有効活用、こんなことに努力をしなければなるまいと、そう思っておる次第でございます。 当面の市政運営と明年度の予算編成についての思いをお尋ねになりました。経済的にも財政的にも厳しい状況下にありますし、難しい局面に立たされておるわけであります。したがいまして、当面は内需の拡大と雇用の確保、これに最善を尽くすと、あわせて、福祉・教育・環境、これに全力を傾ける、そのようにあるべきだろうと思っています。加えまして、ことしは国から歴史都市の認定を受けました。歴史文化遺産を生かしたまちづくりを進めることは当然だと思っておりますし、あわせましてユネスコから、創造都市ネットワークへの登録が認められた次第でございます。そういたしますれば、クラフトだけでなしに、広くものづくり産業の基盤をしっかりと固めておく、そのことに努力をする、このことを考えておりまして、これらを通じまして、魅力があって元気があると、そして世界に通ずるまちになったらと、こんなふうに思っておる次第でございます。厳しく難しくとも、これまで以上に施策の重点化、財源の確保、そして行財政改革の徹底、このことに取り組まなければいけないと、そのように思っております。 事業仕分けについて感想をお尋ねになりました。行財政改革の一つの試みでございますし、予算編成の一端を公にしたということには、私は評価したいというふうに思います。ただ、議論なしに結論を出したものもあったように思います。特に科学技術、あるいは芸術・文化、教育、こういう面につきましては、費用と手間がかかるわりに効果が見えてこない分野であると。そうした分野でありますれば、もっと議論が十分あってよかったのではなかろうかと、いささか乱暴ではなかったかなと、そんなふうに思っておる次第でございます。 地方への移管と評価されたものについてどうかということでございます。下水道事業とかまちづくり交付金、これを地方へ移管するんだというふうに述べられました。しかし、単に事業規模を移しかえるというものでもございません。事業には国の補助金がある、その補助金の裏負担には起債の措置があると、その起債の元利償還には地方交付税の措置があると、こうした財源のこともあわせて考えていく、振りかえていく必要があると、こう思っておりまして、これから国の予算編成の過程で詳細が明らかになってきますことから、その推移を十分注視して、市として適切に対処してまいりたい、このように思っています。 事業仕分け、このことが中期財政計画にどのように反映されていくかというお尋ねでありました。中期財政計画は、一つ事業仕分けに限っておりませんで、国の予算とか地方財政計画とか、また市税の動向等を踏まえまして、毎年ローリングを行っています。翌年度以降の本市の予算編成の指針にするものでございます。国の予算編成の動向に十分気をつけながら、本市の予算編成を進めてまいりますとともに、中期財政計画のローリングを明年度当初に行うことにいたしております。今後とも、必要に応じた計画の修正も行って、中長期を見据えた安定的な財政運営に役立てていきたいと、このように思っています。 環境政策についてお尋ねでありました。国の政策に呼応した環境政策の見直しが必要だという御指摘でありました。第2次の環境基本計画におきます地球温暖化対策の取り組みを具現化するために、来年度、温室効果ガスの削減計画でございます地球温暖化対策実行計画、これを策定することにいたしています。これまでの温暖化防止策の点検・評価を行いまして、国の政策とも整合を図ってまいりたいと、このように思っています。削減目標の基準年のことでございますが、これにつきましては、国が基準としている1990年、このことに定めたいと、そう思っております。 環境教育、そして太陽光発電、このことについては環境局長からお答えをいたします。 次に、指定管理者制度でございますが、1期を終えて所期の目的にどの程度寄与したのかというお尋ねでありました。近隣の商業施設と連携した割引券の配布でありますとか、貸し室のあっせんでありますとか、広報活動の強化でありますとか、こうしたことなど、指定管理者によりまして、独自のさまざまな工夫がなされたところでございまして、施設の利用者は増加をしています。また、218施設の管理運営費でありますが、導入開始後の平成16年度から19年度までの間で、導入の前に比べますと、累計で約1億9,000万円が減少するということなど、一定の成果はあったと、このように思っています。指定管理者制度に係るあとのお尋ねに対するお答えは、総務局長から申し上げたいと思います。 公契約条例についてお尋ねでありました。これに関連をしまして、金沢市の入札制度改革、その結果をどう受けとめているかというお尋ねでありました。一般競争入札の拡大を進めてまいりまして、あわせて極端な低価格での入札を防ぎますために、最低制限価格制度、それから低入札価格調査制度を導入してまいったところであります。入札制度の改革に取り組んできたと、こう思っています。その結果、極端な低価格での入札がなくなりまして、下がり続けていた落札率の低下にも一応歯どめがかかると、こういうことなど、一定の成果を得ているというふうに思っています。 野田市の例をお挙げになりまして、設計労務単価、それから最低賃金について、どういう立場で検討をし、守っていくのか、考えを言うようにというお尋ねがありました。これまで、従業員の処遇の悪化にもつながりかねないところのダンピング受注の防止に向けまして、入札制度改革を進めてきたことは今ほども申し上げたとおりであります。最低賃金など、労働者の雇用条件等につきましては、労働基準法、それから最低賃金法、これを初めとする法令で定められていることもございまして、仰せの公契約につきましては、まずは国において法整備がなされるべきものと、私はこれが筋であるというふうに思っています。したがいまして、市として条例を制定するということは、私は考えておりませんが、国の動向には引き続き注意を払ってまいりたいと、そのように思っています。
    ○田中展郎副議長 城下環境局長。   〔城下 謙環境局長登壇〕 ◎城下謙環境局長 環境政策につきまして、まず、これまでの環境教育の取り組みと、今後の展望についてのお尋ねでございました。環境問題に対する市民の理解を深め、自主的な行動につなげていくため、これまでにも環境に関します出前講座、あるいは体験教室などを実施いたしており、小学校におきましては、川の生き物観察会などの環境学習支援事業を進めているところでございます。さらに、今年度、新たに11の小中学校でユネスコ・スクールの指定を受け、その中で地球温暖化問題などの環境教育にも取り組んでいるところでございます。引き続き、家庭・学校・職場・地域など、あらゆる場における環境学習の機会の拡充や、情報の提供などを積極的に進めまして、環境教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、太陽光発電の利用拡大に向けた今後の取り組みと公共施設での設置についての考えはとのお尋ねでございました。住宅用太陽光発電設備への助成につきましては、今後も継続をいたしていく考えであり、また、市民へのさらなる情報の提供や啓発にも努め、太陽光発電設備の普及拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。公共施設での太陽光発電設備につきましては、これまで市立工業高校や公園など65施設に設置をいたしておりまして、今議会におきましても、新たに小中学校3校に設置する予算をお諮りいたしているところでございます。今後も、庁内横断組織であります環境基本計画推進連絡会議の中で、導入拡大に向け、取り組んでまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○田中展郎副議長 丸口総務局長。   〔丸口邦雄総務局長登壇〕 ◎丸口邦雄総務局長 指定管理者制度の2期目の選定に向けて、どのようなことに重点を置き改善を図るのかとの御質問にお答えをいたします。公共施設の利用をより一層促進したいとの考えから、利用促進策やサービス向上策の推進に重点を置いて、2期目の募集・選考を現在行っているところでございます。あわせまして、よりふさわしい指定管理者を選定するために、新たに選定時に外部委員を加え、透明性、公平性を高めましたほか、応募者に対する審査内容の事前公表や、面接審査のウエートを高めるなどの改善を図っているところでございます。今後とも、指定管理者制度のメリットが十分生かせますよう、運用に努めてまいりたいと考えております。 次に、外郭団体におきます公益法人制度改革への進捗状況と指定管理者制度への影響等についてでありますが、本年度、外郭団体と市の担当者で構成する新公益法人移行研究会を設置いたしまして、すべての外郭団体が公益法人に移行できますよう、定款の変更案の作成作業等を鋭意進めているところでございます。指定管理者制度は、地方自治法で定められた公の施設の管理手法の一つでございますが、管理者の選定に当たって、財団等の公益法人への移行が要件となっておりませんことから、外郭団体の公益法人への移行と指定管理者制度との間には直接の関係はなく、したがって影響もないというふうに考えております。 以上でございます。 ○田中展郎副議長 27番松井純一議員。   〔27番松井純一議員登壇〕   (拍手) ◆松井純一議員 質問の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下、数点にわたり質問をさせていただきます。 政府のデフレ宣言、円高・株安。まさに鳩山不況が日本列島に吹き荒れているのがことしの師走であります。そこで、政府の補正予算、総額7兆2,000億円といっても、中身は、2兆7,000億円は第1次補正予算の執行停止分、3兆5,000億円は税収減の場合の地方交付税の補てん分、実質1兆円も自公政権時代の家電製品のエコポイントやエコカー減税などを延長、追加したものであります。規模も内容も形ばかりの2次補正で、地方の深刻さが全くわかっていません。そんな深刻な状況にもかかわらず、マスコミの報道では、まるで修学旅行のように民主党の国会議員の皆さんは約140人も中国へ。この非常事態に何を考えているのでしょうか。 まずは、事業仕分けについてお尋ねいたします。 政府の行政刷新会議による事業仕分けが行われました。予算編成過程が透明化され、納税者の関心を集め、予算を国民に身近なものにしたと思います。事業仕分けは、公明党が主張し、法律に規定したものですが、本来のあり方は、仕分人の立場・位置づけを明確にして、概算要求の前段階で、これは民間に、これは地方、これは廃止すると、じっくり検討すべきものと考えます。しかし、鳩山政権からは、経済成長戦略や安全保障の問題、未来への投資とも言える科学技術の研究、文化芸術振興、スポーツ振興などの大幅削減で、基本戦略そのものが見えてきません。政府が財政再建の中期プログラムや成長戦略を明確に示さないまま、事業の要・不要まで含めて判断しています。自分たちの要求で膨らんだ概算要求額95兆円を、自分たちで無駄を削減したように見せる自作自演のパフォーマンスとの批判もあります。今回の事業仕分けを市長はどのように認識しているのでしょうか、課題等も含め、お聞かせください。また、来年度の当初予算編成にどのような影響が出てくるのでしょうか、お伺いいたします。 2点目は、子ども手当についてであります。 新政権の掲げる子ども手当は、何が何でも実現すべき目玉政策として、来年度は総額2兆4,000億円、平成23年度以降は毎年5兆4,000億円の財源を確保しようとしていますが、経済協力開発機構--OECDは、日本の政策課題達成に向けた提言を発表し、この子ども手当の創設よりは、就学前教育、保育や幼児を持つ母親への支援、奨学金制度の充実などを優先すべきだとの考えを示しています。鳩山政権は、子ども手当の財源を確保するため、躍起になって事業仕分けをしました。しかし、この子ども手当で、中学生以下のお子さんがいる家庭では、大幅に収入がアップするように思いますが、税制改正も同時になされ、配偶者控除や扶養控除が廃止される可能性があり、住民税や所得税、そして保育料もはね上がります。まして片働きで子どもがいない家庭や、いても高校生以上という家庭は大増税になり、大変な打撃であります。また、片働きで子どもがいない家庭の中には、わずかな年金でぎりぎりの生活をされている高齢者世帯も含まれます。つまり、これまで、所得税・住民税が非課税であった経済的に大変な世帯ほど、負担がふえることになります。また、政府は、この子ども手当に地方や企業にも負担を求める検討をしています。これを現行の児童手当の国・県・市の負担割合と同じと仮定すると、金沢市の負担は一体幾らの負担になるのでしょうか。お示しください。 3点目は、本多の森周辺整備についてであります。 23年秋開館予定である鈴木大拙館のこの地域には、県立歴史博物館、藩老本多蔵品館、県立美術館、県立図書館、市立中村記念美術館などがあり、県立美術館から本多町へ抜ける美術の小径のわきには辰巳用水が流れ、歴史と文化が凝縮した大変重要なところであります。この一帯は、江戸時代に加賀八家本多家の下屋敷地で、中世から17世紀初めのころまでは、霞ヶ野と呼ばれる沼や沢のある原野であったと伝えられ、元和元年、本多政重が3代藩主利常から現在地の周辺一帯約10万坪を与えられ、下屋敷地として本多家家臣団が居住する区域となったところであります。加賀藩の筆頭家老本多家の初代本多政重は、江戸幕府の老中本多正信の次男で、加賀藩主前田家に仕え、5万石を禄し、全国の諸大名の家臣の中でも最も高禄だったと言われています。また、この地には、本多家の庭としてつくられた敷地約2,000坪の松風閣庭園が北陸放送の裏手にあり、霞ヶ池を利用してつくられた庭と、霞ヶ池の奥にはコケむした広大な林があります。2003年に国の登録有形文化財に指定され、昨年には金沢市指定文化財の名勝に指定されています。この庭園は北陸放送が所有しており、余り市民の目に触れることはありませんが、以前は1階にレストラン瓢亭があり、そこで何度か庭園を鑑賞したことがあります。本多町周辺の整備には、この歴史的空間が欠かせないと思いますが、本多の森周辺整備についての市長の御所見をお伺いします。 4点目は、自転車の安全対策についてであります。 警察庁の発表では、平成20年の自転車が当事者となった全国の交通事故は、16万2,525件と交通事故全体の21.2%を占めており、4年連続で前年比マイナスとなっていますが、10年前と比較して13.6%、1万9,508件増加しております。自転車乗用中の死者数は、平成20年は717人となっており、近年では減少傾向ではあるが、交通事故死者に占める割合としては増加しています。交通事故を相手・当事者別に見ると、自転車事故全体の82.6%を対自動車事故が占めていますが、対歩行者事故も10年前の約4.5倍、2,947件となっています。自転車が当事者となった事故のうち、自転車側に法令違反があった割合が67.6%であり、死亡事故では76.4%と、さらに高くなっているそうであります。自転車利用者の悪質・危険な違反に対する指導取り締まりを強化し、平成20年では全国で218万8,646件の指導警告を行い、交通切符を適用して903件が検挙されているとのことです。ただ、実際には、警察官の目が届かない危険な違反は身近で多く発生していると思われます。道交法改正に伴い、13歳未満を除き、自転車通行可の標識がない道路で、原則車道左側の通行を義務づけるルールを徹底。教則改正では自転車乗車中の傘使用、携帯電話の操作・通話、ヘッドホンステレオの使用も禁止になっていることから、実際には規則が守られるかが心配であります。子どもから大人まで、家庭において、保育園・幼稚園・学校や社会において、道交法を学び理解しなければ、交通事故はもちろん、自分の命を守ることもできなくなるのであります。先日、私の車の前を自転車で走行中のヘッドホンをした学生が突然道路を横切り、間一髪、急ブレーキで事故を回避することができましたが、一歩間違えば人身事故の加害者になっていたところであります。歩く立場から、自転車の立場から、自動車の立場から、また道路を利用する上で、市民の皆さんが最低限規則を遵守する必要があると思います。本市の自転車事故の現状と自転車の交通安全指導をどのようにしていくのかをお伺いいたします。 5点目は、3人乗り自転車についてであります。 6歳未満の子どもを自転車の前と後ろに乗せる3人乗りについて、昨年の道交法改正などで原則的に認められませんでしたが、しかし、母親らからの強い要望は多く、小さい子どもを持つ親が反発し、「生活が不便になる」「子ども一人を家に残して行けない」「子育て支援に逆行する」という悲鳴に似た声を聞き、これを受けて、警察庁が安全な自転車の開発を条件に認めるよう方針を変えました。それによって、財団法人自転車産業振興協会が費用の一部を補助するなどして、各自転車メーカーで開発が進められ、ことしの夏には、実際に認可される専用自転車を販売することになりました。専用自転車は、歩道を通行できる大きさは長さ190センチ、幅60センチが上限で、前部座席に18キロ、後部座席に25キロを乗せた状態で検査し、自転車は特性上転倒が避けられず、3人乗りによって転倒の可能性がふえるとして、転倒時の安全性に配慮することをつけ加え、具体的には幼児の頭部保護のため、背もたれが高く、後頭部と側頭部を守る覆い--ヘッドガードがついた座席が望ましいとしています。財団法人自転車産業振興協会は、ことし3月に12のメーカーと個人による試作車14台の試乗会を開きました。今回の試乗会では、試作品がまとまって公開されたのは初めてで、お母さんたちが前後のシートに、子どもに見立てた水タンクを入れて試運転をし、いずれも前に1人、後ろに1人を乗せるタイプや、見た目ががっちりしているもの、フレームやタイヤが太く、車体を低くしてふらつきを防ぎ、安定をよくしたものや、それ以外の工夫で多かったものは、前後いずれかの車輪が二輪、三輪と複数、前輪と後輪の大きさが異なるものや、スタンドの幅が広いものなどや、スタンドを立てるとハンドルに自動的にロックがかかって回転を防止したり、レバーを引くと車輪が後ろに進まないようにロックされ、転倒を防止する自転車も紹介されています。一般の自転車に比べて、安全性や強度の関係で自転車販売店では価格が5万円から10万円と高く、幼児1人乗せる従来の自転車よりもはるかに高額になります。群馬県前橋市では、購入費の半額、上限4万円を助成、来年度から実施の予定であります。また、千葉県市川市は、年内をめどに幼児2人同乗用自転車の無料レンタル事業をスタートさせる方針を明らかにしています。子育て支援策の一環として、この経済情勢で若い世代が自転車購入の新たな負担をするのは難しく、購入費助成や無料レンタルが必要ではないでしょうか。本市の考えをお伺いいたします。 6点目は、電動車いすの安全対策についてであります。 電動車いすを活用する方と路上でお会いすることがあります。歩行者よりも速く、別所から平和町、寺町や有松までのびっくりするような長い距離の移動をされている場合もあります。便利に外出できますが、交通事故を心配する声や実際の悲しい事故についてもお聞きします。高齢社会であり、車や自転車は運転しなくても、電動車いすを日常の移動手段とされる方は、今後もふえるのではないかと思います。本市における近年の利用実態や交通事故の件数、状況、電動車いすの使用に対応した環境整備を進めるお考え、さらに、利用者への交通安全教育や広報を通じて、電動車いすの安全な通行についての周知を行う考えについてお聞かせください。 7点目は、特別支援教育についてであります。 普通学級に在籍する特別支援を必要とする児童・生徒について、本市では特別支援教育指導補助員を配置し、特別支援コーディネーターを中心にケース会議も開かれ、関係者一体となった取り組みに努められていることを評価するものであります。一方で、LD、ADHDなど、いわゆる発達障害の子どもたちは増加傾向にあり、さまざまな課題も指摘されています。特別支援教育が始まり、通常の学級の先生の戸惑いがあったようでありますが、これまでは障害のない子どもだけを想定した学級経営を行っていたものが、発達障害の子どもたちも含んだ学級経営が求められるようになりました。文部科学省は、校内委員会の設置やコーディネーターの指名などで、通常の学級の先生の支援体制を整えましたが、障害のある子どもたちだけを教育することと、障害のない子がほとんどの学級の中で、障害のある子どもを指導することは必ずしも一致するものではないこともあり、特別支援学級担当教員や特別支援学校の教諭の助言が子どもたちに還元できないケースも少なくないと言われています。例えば、特別支援学校の先生から研修を受けた通常学級の担任は、特別支援学校のように、先生1人が担当する児童が数人なら可能な話で、1人で35人近くを指導し、保護者対応もする状態では無理な内容といった意見もあるようであります。通常の学級の現状を想定し、手だてを提案できるよう、どのような研修を実施しているのかをお示しください。また、特別支援教育指導補助員の配置状況と配置基準についてもお聞かせください。 次に、院内学級についてであります。金沢大学附属病院に設置されている院内学級の児童・生徒は、現在、小学生6名、中学生2名が在籍しており、教員は小中学校各1名が派遣されているとお聞きしております。小学生には全教科を教えることができますが、中学生の場合、1人の先生と、科目によって大学生がボランティアとして学習補助をしています。しかし、学校の授業が終わった後のため、時間が限られており、子どもたちと時間が合わないことがあるとお聞きしております。例えば、日中時間があいている教員OBや塾の講師などのボランティアを募ってはいかがでしょうか。また、保護者からは、先生の長時間の勤務と多忙さで、いつかはつぶれてしまうのではないかとの懸念の声が上がっています。院内学級の子どもの状況やメンタルケア、諸課題についても伺います。 障害の有無にかかわらず、特別支援教育を推進するための本市の課題と今後の取り組みについてお聞きして私の質問を終わります。   (拍手) ○田中展郎副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 27番松井議員にお答えをします。 まず、事業仕分けのことについてお尋ねになりました。事務事業を抜本的に見直すことによりまして、無駄をなくするための一つの手法であるというふうに受けとめております。国民に税の使い方の一部が公開をされまして、国の予算に対する関心が高まったという点では評価をしたいというふうに思っています。ただ、事務事業には、費用対効果だけで議論のできない分野もあるわけでございまして、これも仕分けの対象に含まれておりまして、そういう点で課題もないわけではないと、このように思っています。結果がどのように国の予算に反映をされていくのか、また、金沢市にどんな影響があるのか、未定の部分も多うございますので、これから国の編成過程を十分見ながら、そして適切に対応していきたいと、このように思っておる次第でございます。 子ども手当につきまして、金沢市の負担額をお尋ねになりましたが、これは福祉健康局長からお答えをいたします。 本多の森の周辺整備でございます。このかいわいは多くの歴史文化施設が集積をしています。したがいまして、これらを散策路等でつなぎまして、歴史・文化や自然に触れながら思索にふけるということの可能な空間であると、このようにも思っています。特に、松風閣庭園でございますが、江戸時代初期につくられまして、当時の面影を残す武家庭園の遺構と、こう申し上げてもいいと思いますし、文化財、このようにも考えています。これを保全しまして後世に伝えるために必要な支援を行うとともに、より広く市民の目に触れることができるように、所有者とも十分協議をいたしまして、隣で予定いたしております鈴木大拙館との回遊性、これを持たせていきたいと、このように思っておる次第でございます。 自転車の安全対策につきましては、都市政策局長からお答えをし、私からは3人乗り自転車のことであります。金沢市の場合は積雪がありますし、急な坂道も多うございます。そうした気候的・地形的な特性がございまして、条件がありまして、慎重に検討していく必要があるというふうに思っています。大きい関心は寄せていきますが、今のところ、購入費助成とか無料レンタルということは、直ちに考えておりません。御理解をいただきたいと思います。 電動車いすのことに関しましては、都市政策局長からお答えをいたします。 ○田中展郎副議長 梶原福祉健康局長。   〔梶原慎志福祉健康局長登壇〕 ◎梶原慎志福祉健康局長 子ども手当につきまして、現行の児童手当の負担割合と同じと仮定すると、金沢市の負担額は幾らかとのお尋ねがございました。平成22年度の児童手当支給対象児童数は、月平均4万1,947人で総支給額は33億9,000万円となり、そのうち、本市負担額は8億9,000万円と見込んでおります。子ども手当制度に変わった場合、支給対象児童数は月平均6万5,075人に増加し、平成22年度は総支給額90億3,000万円、本市負担額23億5,000万円、平成23年度は総支給額186億7,000万円、本市負担額48億5,000万円程度になるものと試算しているところでございます。 以上でございます。 ○田中展郎副議長 立岩都市政策局長。   〔立岩里生太都市政策局長登壇〕 ◎立岩里生太都市政策局長 自転車の安全対策についてお尋ねがございました。平成20年の本市の自転車事故死傷者数は666人で、直近10年間で見ると減少傾向にあります。また、自転車の交通安全指導につきましては、小学校3年生に対する自転車安全教室や高齢者への交通安全講習を実施しているところでございますが、今後はこれらに加えて、警察と連携をした高校生に対する自転車安全指導についても実施をしていきたいと考えております。 次に、電動車いすについてお尋ねがございました。本市における電動車いすの利用実態について、正確な利用者数は把握できませんが、平成8年以降に行った購入補助人数は88名、現時点で介護支援として貸与している電動車いすの数は約90台となっております。また、本市における電動車いすの交通事故は、この5年間で負傷者が年間1名から3名となっております。電動車いすの使用に対応した環境整備については、道路の段差解消ですとかスロープの設置等を順次、計画的に進めているところであり、安全な通行の周知についても、今後、警察等関係機関と連携し、高齢者交通安全講習に追加をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田中展郎副議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 特別支援教育についてお尋ねがございました。通常の学級の現状を想定し、手だてを提案できるよう、どのような研修を実施しているのかとのお尋ねでございました。通常学級の担任や特別支援教育コーディネーターを対象とする研修におきましては、指導実践を協議、検討するなどして、一人一人に応じた具体的な支援方法や、校内支援体制づくりについての研修を行っております。今後も適切な支援につながるよう、研修を充実してまいります。 特別支援教育指導補助員の配置状況と配置基準についてお尋ねがございました。本市では、現在、小中学校50校の通常学級に57名の特別支援教育指導補助員を配置しており、配置に当たっては、児童・生徒の実態、学校の状況等から、支援の必要性を総合的に判断し、決定しております。 次に、院内学級についてお尋ねがございました。院内学級において、日中時間があいている教員OBや塾の講師などのボランティアを募るのはどうかとのお尋ねでございました。現在、院内学級では、学生、退職教員、民間ボランティア等が絵本の読み聞かせ、ものづくり等の学習支援活動を行っております。今後も、院内学級の教育の充実に向け、幅広く人材を活用していくよう努めていきたいと思っております。 院内学級の子どもの状況やメンタルケア、諸課題についてお尋ねがございました。院内学級の児童・生徒は、それぞれの病気と向き合いながら、意欲的に学習に取り組んでおります。また、担当教員は、一人一人の病状に配慮しながら、それぞれに応じた指導に努めるとともに、心のケアにも熱心に取り組んでおります。今後とも院内学級の学習環境を整えるなど、支援していきたいと思っております。 特別支援教育を推進するための本市の課題と今後の取り組みについてお尋ねがございました。特別支援教育では、一人一人の教育的ニーズに応じた多様できめ細かな教育が求められており、金沢市特別支援教育指針に基づき、指導力の向上を図るとともに、関係機関との連携を強化していきたいと思っております。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○田中展郎副議長 この際、暫時休憩いたします。     午前11時53分 休憩--------------------------     午後1時3分 再開 △再開 ○田中展郎副議長 出席議員数は、ただいまのところ39名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○田中展郎副議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 9番大桑進議員。   〔9番大桑 進議員登壇〕   (拍手) ◆大桑進議員 私は、日本共産党市議員団の一員として、市長並びに関係者に質問いたします。 今、年の瀬を迎え、市民、国民の暮らしは引き続き深刻です。失業率、有効求人倍率は引き続き史上最悪の求人です。中小企業の経営危機、倒産、農業経営の分野なども深刻です。雇用・暮らし・社会保障に政治がしかるべき責任を果たしてほしい、これは、さきの総選挙で示された国民、市民の切実な思いです。日本共産党はこの声にこたえて、全力を尽くす決意です。地方政治においても、こうした市民の思いにこたえ、市民の暮らし・福祉・雇用を守る地方自治体本来の政治を進めることが求められていると思います。その立場から具体的に伺います。 質問の第1点目は、後期高齢者医療制度についてです。 鳩山政権が新たな高齢者医療制度をつくるまで、後期高齢者医療制度の廃止を2013年度まで先送りする方針を出しました。後期高齢者医療制度は国民の厳しい怒りを呼び、総選挙で、冷たい政治の象徴とも言うべき後期高齢者医療制度は直ちに廃止すべきだという国民の審判が下ったものです。鳩山首相自身、総選挙中には、「後期高齢者医療制度の最も深刻な問題は、お年寄りの尊厳を傷つけたことであり、お年寄りの尊厳を取り戻すためには廃止法案を可決するしかない」「廃止のためにも政権交代が必要だ」と力説いたしました。後期高齢者医療制度の廃止の先送りは明白な公約違反であります。そこで、なぜ態度が変わったのか、11月9日の参議院予算委員会で、こうただした我が党の小池委員の質問に、首相は次のように答えました。「今すぐに廃止できると思っていたが、廃止するだけでも2年かかる。2年かかるのであれば、新しい制度を考えたほうが効果的だ」。また、長妻厚労相は、「役所の資料を見ると、制度を廃止して老人保健制度に戻すだけでも、広域連合の問題やシステムの改修などで2年かかる」と説明しました。これは、昨年の国会で廃止法案に抵抗した自公政権下の厚労相が言ったことそのものであります。しかし、昨年の国会で民主党は、「後期高齢者医療制度への作業は1年ぐらいの間に行われた。廃止にそんなに時間はかからない」と反論しています。政権についた途端に、一転して今までの発言や公約を翻すならば、余りにも情けないことではないでしょうか。今、即刻老人保健に戻すことには何ら問題はありません。市長、我が党は、一日も早くもとの老人保健制度に戻すこと、その際、保険料などの負担増とならないよう、国保に対する財政措置をとることを求めています。市長は9月議会で我が党の森尾議員の質問に対し、「医療保険制度というものを75歳以上という年齢でもって別建てにしていることの是非、こういうことが問われていると思っております。制度が改められる場合は、現場に混乱のないように、新たな負担が地方に及ぶことのないように、国に善処を求めていきたい」と述べられております。こういう認識をお持ちであるならば、金沢市民に責任を持つ長として、後期高齢者医療制度は直ちに廃止せよ、また、あわせて市民に負担増を負わせないよう、国保に対する財政措置をとれ、このことを強く求めるべきではありませんか。市長の見解を伺います。 重大なことは、廃止が先送りされれば先送りされるほど、市民、国民の被害を広げざるを得ないことであります。きょうもあすも、75歳の誕生日を迎えた高齢者が次々に制度に組み込まれていきます。来年の4月には、保険料改定で保険料値上げがなされます。厚生労働省は先日、この値上げが2009年度比で13.8%ふえ、平均で8,556円のアップになるとの試算を発表しました。市長は、廃止が先送りされることによる市民への影響をどのようにお考えですか。見解を伺うものであります。 また、仮に来年4月まで後期高齢者医療制度が存続する事態になった場合には、広域連合の長として、料金改定に対する市民負担を抑えるために、どのような対処をされるおつもりなのか、あわせてお聞きいたします。 質問の2点目は、子ども手当に関して伺います。 我が党は、子ども手当の拡充は当然だと思っております。その財源として、扶養控除の廃止を行うことについては、賛成できません。政府税制調査会は4日の全体会合で、所得税の扶養控除と連動して、住民税の扶養控除を廃止する方針を固めたと報じられています。市長、もしこれが実施された場合、市民の負担は雪だるま式にふえることになります。総務省の小川政務官は、4日の政府税制調査会全体会合で、住民税・所得税の扶養控除を見直した場合の他制度への影響に関して資料を提出いたしました。この中では、扶養控除の廃止が、課税総所得額、税額などを活用している制度に影響があると指摘し、その影響は23項目にも及ぶと言われております。扶養控除の廃止によって、これまで所得額から差し引かれた額--所得税は38万円、住民税は33万円が差し引かれなくなるため、課税の対象とされる所得額がふえて、所得税額や住民税額が増税されます。社会保障制度の多くは、その自己負担額などが、所得税や住民税、課税所得額などを基準にしているほか、住民税が非課税かどうかを基準としている場合が多いため、扶養控除の廃止と連動して、他の制度の負担が雪だるま式にふえることになります。市長、扶養控除の廃止が市民生活に及ぼす影響について、具体的に次の数点について伺います。 保育所の保育料はどうなりますか。公営住宅の家賃や国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の自己負担などについて明らかにしていただきたいと思います。 市長、扶養控除の廃止には、生計費非課税という税制の民主主義の大原則を侵すという大問題があります。私たちのもとには、子どもを持ちたくても持てない家庭などから、立場の弱い少数者を切り捨てる、心ないやり方ではないかという強い不満と不安の声が聞こえてまいります。庶民の一部を犠牲にして一部に回すというやり方では、国民、市民の理解を得ることはできないのではないでしょうか。こうしたやり方では、子ども手当が支給された御家庭でも、心から喜べないのではないでしょうか。庶民増税と抱き合わせの子ども手当というやり方は改めるよう、国に強く求めるべきではありませんか。市長の見解を伺います。 質問の3点目に、保育所の最低基準の緩和などについてお聞きいたします。 鳩山政権は、都市部での待機児童の解消のためにと称して、保育所の最低基準の緩和を打ち出しました。市長、保育所の最低基準は、そもそも憲法第25条の見地から、子どもの健康と健全な育成に必要な最低限度の基準として、1948年に制定されました。当時は国民生活も貧しく、経済の伸展、国民生活の向上に合わせ、高めるべきものと位置づけられたものです。私は、先日、この最低基準で実際に保育をやってみたらどうなったかを保育士さんに伺う機会がありました。2歳児18人のクラスで食事や昼寝の状況を保護者に見てもらいましたが、部屋が狭いために、子どもが他の子どもをかんだり、昼寝では他の子の布団と重なってトラブルになったりで、とても子どもの豊かな成長が保障されるものではない、文字どおり「最低」の基準であることがよくわかったということでした。市長、子どもの詰め込みを深刻化させる、保育環境を悪化させる、そして保育所における子どもの事故死をふやすのではないかという強い批判と不安が出されております。最低基準の緩和は行わないよう、国に強く求めるべきではありませんか。見解を伺います。 本市では、最低基準を下回ることはないものの、規制緩和のもとで面積基準の弾力的運用が行われてきました。今年度も弾力運用が行われております。定数に対して115%以内が112園中57園、125%以内は21園で、全体の70%の園が本来の定数を超えての保育となっております。保育の質の低下につながらないかとの懸念の声も出されております。その一方で、まちなかを中心に少子化が進み、30園が定員に満たない状況もあることから、保育行政の課題は山積しております。市長、子どもたちの豊かな成長のためには、保育環境の改善こそが求められていると思います。国に先駆けて保育を充実させてきたのが本市ではありませんか。保育所の運営の厳しさもあるとは思いますが、面積基準の弾力運用だけに頼ることなく、保育所の定数を守り、新設・増設をすることも今大切ではないでしょうか。市長の見解を伺うものであります。 質問の最後は、中小企業へのきめ細かな支援策についてであります。 市長、私は、先日、安原異業種工業団地の工場を訪問してまいりました。相当に深刻な実態でありました。家族3人で経営している会社では、事務所でストーブを囲んで受注を待っている状況でありました。「親会社一つでやってきたが、仕事が来ない。仕事があっても2~3日、11月はほとんど仕事がなくて、家族の生活費をバイトで何とかした」、また、ある会社では、「通常の3~4割の仕事しかなくなった。単価も引き下げられて、生活費が出てこない」と話しておられました。そして、「仕事がなくても光熱費など固定費負担は続きます。産業用電気料の支払いは月に2万円から3万円以上、月に2~3万円しかない売り上げは、電気代で消えてしまいます。市の経営安定特別資金制度があっても、これ以上銀行は貸してくれない」、木工の会社では、「中小企業緊急雇用安定助成金を受けたが、不況が長引き、従業員の首も切れない、そのために仕方なく賃下げをした」とのことでした。このままでは年を越せない、もう廃業しか選択肢がないなど、危機に瀕しております。本市の事業所の9割を占める中小零細企業の多くが、こうした状況に置かれているのが実態だと思います。市長、私も事業所を直接訪問して実感しましたが、昨年来の経済危機の影響はますます深刻であり、ますます拡大しております。このままでは年末に向け、倒産、廃業がさらに拡大すると思われます。今、こうした事態の深刻さをリアルにとらえ、事態の深刻さ、規模の広がりにこたえた、まさに緊急で総合的な対策が求められると思います。市長はこうした中小企業の実態をどのように認識されておりますか。率直に伺うものであります。 中小零細企業は、事業所数で本市の9割を占めていると言われております。中小零細企業を文字どおり本市経済の主役として位置づけて対策を講ずる、大企業優先の産業政策の転換を図り、中小零細企業を守る政策を講じて、一つ一つの中小業者を助けていくことで、本市経済の再生、発展も図れるのではありませんか。こうした事態の広がり、緊急性にふさわしい対策のためには、借金返済に困っている企業への支援はもちろん必要でありますが、それにとどまらず、仕事の確保を含めた総合的な緊急対策が求められているのではないですか。具体的に4点についてお伺いいたします。 1つ目には、中小企業緊急安定助成金についてです。助成金は、中小企業の経営がますます深刻化する中で、従業員とその家族の生活を守るかなめとなっております。本予算に2億円が追加され、これまでの予算と合わせて6億円余となっておりますが、その利用実績はどうでしょうか。このことを踏まえ、補正予算の対応は十分と言えるのでしょうか。 2つ目には、大銀行による貸し渋りをなくす問題であります。零細企業は融資を繰り返し受けようとしても、経営の見通しを求められるため、現状の保証制度では却下される方が多いと聞きます。市長、保証協会に対して、制度の基準緩和などの拡充・改善を強く求めるお考えはありませんか。 3つ目には、大企業による違法な下請切りをさせないことです。工業団地を訪問した際に、親会社から仕事が来ないとの声が幾つも聞かれました。市長、大手のコマツやテクノパークに参入した企業など、少なくとも誘致して奨励金まで支給した企業に対して、違法な下請切りを行わせないよう、実態をただし、強く要請すべきではありませんか。 4つ目には、零細企業で仕事の確保が困難になっている企業に対して、倒産、廃業しないための休業補償、直接支援を行うことです。 以上4点について、一つ一つの施策が今切実に緊急な対策として求められております。市長の明確な答弁を伺いまして質問を終わります。   (拍手) ○田中展郎副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 9番大桑議員にお答えをいたします。 まず、後期高齢者医療制度を廃止するというお話でありました。これにつきましては、平成24年度末をもって廃止をして、25年度からは新しい高齢者医療制度が施行されると、そういう予定だとお聞きをいたしています。現在、国におきまして、高齢者医療制度改革会議、こうした会議が設置をされまして、学識経験者、高齢者の代表、関係団体の代表によりまして、新しい制度のあり方について検討が始められたところでございます。国の動向を注視してまいりたいと、このように思っています。 22年度から保険料負担がふえるのではなかろうかと、どれくらいかという御指摘でありました。国におきましては、来年度からの保険料額については、約13.8%の増加を見込んでいるというふうに伝えられております。したがいまして、国は、各広域連合におけるこれまでの剰余金、これを全額活用するように、また、県に設置されております財政安定化基金、これを取り崩すようにと、そういうことなどによりまして、可能な限り保険料の増加を抑えるようにと、11月中旬に方針が示されたところでございます。現在、石川県の広域連合におきましても、国からの方針を踏まえまして、保険料の試算を行っている最中でございます。 保険料負担がふえるということであれば、広域連合の連合長として、どう対処するのかという御趣旨でありました。高齢化が進んでまいりまして、医療費の増加は避けられないというふうなところに来ています。また、県は高齢者1人当たりの医療費が全国でも高い、それが石川県ということでございまして、応分の保険料負担はやむを得ないという事情にあることは事実であります。来年度以降の保険料につきましては、今ほど申し上げました国の抑制方針が示されていますので、その方針に基づいて検討をしまして、そして広域連合の議会に諮っていきたいと、こう思っています。 子ども手当に関連をしてお尋ねがありました。市民生活にどのような影響があるのかということでありました。これとかかわる税制改正につきましては、現在、政府の税制調査会で審議中でございます。全体像がまだ明らかでございません。具体的な影響につきましては、現時点でどれだけだというふうに予測をすることは困難でございます。この手当の創設に当たりましては、財源確保の問題が避けて通れないことでございますが、その際、子どもでありますとか高齢者等の弱い立場の方々への配慮を怠ってはならないと、こう考えています。市としても、必要であれば、全国市長会等を通じて要請をしてまいりたいと、このように思っています。 次に、保育所の最低基準にお触れでございました。最低基準を担保するように働きかけるべきだという御趣旨であったと思います。今度の勧告は、国の最低基準を上回る本市の基準に、一定の法的根拠を与えるものであるというふうに思っています。このことから、国に対しまして、最低基準を担保するように働きかけるつもりはございません。 次に、よその国と比べても、最低基準は低いものであると。したがって、国に改善を求めるとともに、市も改善すべきではないかという御趣旨でありました。施設の最低基準につきましては、現在、国において議論をされています。このことから、推移は見守りたいと、こう思っています。本市におきましては、御承知だと思います。既に国の最低基準を上回る人員配置、それから居室面積を定めまして、保育環境の改善に努めているところでございます。保育所入所、この一層の円滑化を図りますために、国の最低基準を下回らない範囲において、認可定員を超えた入所を認めるということをやってまいっていますし、できるだけ保護者の希望に沿えるように、定員を超えた受け入れ体制を整えるということもいたしてございまして、家庭、もしくは職場近くの他の保育所を紹介するというようなことなどによりまして、できるだけ円滑な入所に努めているところでございます。財政事情を勘案しながら、必要に応じまして施設の整備に配慮していかなければいけないと、このようにも思っています。 次に、中小企業への支援策についてお尋ねでございまして、雇用調整助成金の抜本的な拡充を求めるということでありました。厳しい経済・雇用情勢にかんがみまして、国の支援策とは別に市独自の中小企業緊急雇用安定助成金制度、こういう制度を設けたわけであります。過去2回追加補正を行いまして、さらに今度の議会におきましても、追加補正で増額をして支援しているところでございます。したがいまして、これ以上の拡充は考えておりません。 それから、銀行による貸し渋りをなくするように指導すべきだという御趣旨でございました。金融機関に対しましては、日ごろから中小企業に対する資金繰りの円滑化、これを要請しているところでございますが、特に資金需要が増加をいたします年末に向けて、再度要請を行いました。今月30日まで、土、日、祝日も中小企業緊急金融相談窓口を開設しまして、各企業の実情に即したきめ細かな対応に努めて、そして中小企業の資金繰りを支援してまいりたいと、このように思っています。 次に、仕事が確保できるように、大きい企業に指導すべきではなかろうかという御趣旨でありました。各社とも厳しい経営環境にありながら、社会的な役割を認識しながら、企業経営に当たっておられるというふうに思っています。本市といたしましては、企業の経営方針に干渉するという立場にはございませんが、テクノパーク等への進出の企業、これにつきましては、地域の経済・産業、これを支える企業でございます。したがいまして、いろんな機会をとらえまして意見交換を行っていますし、市としての立場についてもお話をしているところでございます。 休業補償を中小零細企業に対して実施すべきだと、どうだという御趣旨でありました。中小企業に対する緊急対策といたしましては、セーフティネット資金等の低利な融資制度、それから緊急雇用安定助成金に係る市独自の上乗せ助成、こういうことをやっているところでございます。したがいまして、御指摘の休業補償のことについては考えておりません。   〔「議長、9番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○田中展郎副議長 9番大桑進議員。 ◆大桑進議員 市長、保育所の問題でお尋ねしたいんですけれども、非常に金沢市の場合、先ほども述べましたけれども、中心街はドーナツ化現象で減っております。海側などの幹線道路とか、区画整理などが行われたことで、非常に保育園に行かれる子どもさんが急増しております。そこで、親の方から出る話は、子どもの学校との関係があるんですね。地元の学校に入れたいので、保育園は何とか地元の保育園で、同じ子どもたちと一緒に過ごして学校に行けるようにさせてあげたい、これが切実な願いなわけです。そういう点で、国基準を上回っているということはそのとおりなんですが、今のこの集中的に急増している、こうしたところに対しての何らかの手を打たなきゃいけないんじゃないかと。125%上乗せという形でずっと来ております。定員は。私は定員だと思うんですね。その定員をやっぱり柱にして考えていくのが筋じゃないかというふうに思います。そういう点では、本当に子どもたちをそこで過ごさせてやりたいという親の願いからすれば、保育園をふやして、ここで子どもたちも保育園に行けるようにさせたいという親の願いというのは切実なわけです。その辺をぜひひとつ酌み取って、もう一度お考えいただきたいと思うんですが。 ○田中展郎副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 今お尋ねのところを踏まえまして、お答えをしたつもりでございます。もう一度、繰り返して申し上げます。基準を下回らない範囲において、認可定員を超えた入所を認めてきています。これが1つ。もう1つは、できるだけ保護者の方の希望に沿えるように、定員を超えた受け入れ体制を整えること、このことと一緒に、家庭、もしくは職場近くのそのほかの保育所を紹介すると、こんなことも実はしておるわけでございます。もちろん財政が許せば、必要に応じまして施設の整備を配慮していかなければいけないと、こう思っておるわけであります。御理解をいただきたいと思います。 ○田中展郎副議長 28番森一敏議員。   〔28番森 一敏議員登壇〕   (拍手) ◆森一敏議員 会派社民の一員として、以下、数点お尋ねしたいと思います。 質問の第1は、12月補正と2010年度予算編成に当たって御質問いたします。 昨年末、年越し派遣村の村長を務めた湯浅誠さんが、年内の期限つきの任用で、緊急雇用対策担当の内閣参与に任命されました。この冬は年越し派遣村が必要とならないようにとの政府の決意表明です。困窮者が再びやってくる厳しい冬を乗り切るために、政治の責任が問われます。そこでまず、本市12月補正予算においても、年末年始に路頭に迷う人を出さない決意と、それを裏づける施策の実施について御所見を伺っておきます。 さて、12月1日から市内3カ所の街頭で、ホームレスに仕事をつくり、自立を応援する国際的ストリート雑誌「THE BIG ISSUE JAPAN」の販売が始められました。基本的にホームレスに販売権が与えられ、1冊300円の誌代から160円が生活費となる仕組みです。県・市行政にも配慮をいただく中、市内の支援団体が販売者をサポートしての船出です。自治体としても、年末年始の救貧対策として、一般的な就労支援事業に適用が難しいホームレスへの公的な仕事出しが配慮できないか御所見を伺います。 続いて、2010年度当初予算編成に向けてお尋ねします。連立政権が予算の組み替えを念頭に公開で行った事業仕分けに、国民の大きな関心が集まりました。県や市の予算編成でも、事業仕分けを行ったらどうかとの市民の声がよく聞かれます。本市の予算編成方針の中で、事前評価として事業仕分けが取り入れられていますが、市予算編成における事業仕分けの可視化を望む市民に、市長はどうおこたえになりますか。 次に、当初予算編成で重視するとされる本市における内需拡大策について、どう事業化が行われていくのかお聞かせください。 第3に、セーフティーネットの再構築という喫緊の課題に関し、社会保障の窓口業務にワンストップサービスを導入することが求められています。11月30日には、全国数自治体でワンストップサービスの試行も行われたところです。窓口を担う自治体として、ワンストップサービスに向けた課題をどのようにとらえておられるのでしょうか。 4点目に、大幅な税収減が予想される中で、予算編成に当たられる山出市長に、財源確保への決意をお聞かせいただき、第2項の質問に入ります。 第2項は、自殺防止の取り組みについてです。 「自殺大国日本」という不名誉な称号を冠された我が国では、2006年10月から自殺対策基本法が施行され、自殺対策大綱に基づき、自殺防止対策が鋭意取り組まれてきました。本市においても、関連する所管に相談窓口を開くとともに、自殺誘発最大要因と言われるうつ病を予防するために、連絡会を設置し、庁内体制を立ち上げてこられました。しかしながら、全国的には、経済不況を持ち越したことしは、10月末の段階で自殺者数は既に2万7,600人に達しております。このままでは12年連続して3万人を超え、過去最悪に迫るペースだと懸念されています。石川県警の調べでも、7月までの県内の自殺者が154人に上り、前年同期比3.4ポイント増となっております。本市では、対策の効果もあってか、近年減少傾向が見られましたが、再び増加に転じることが心配される状況です。自殺の要因については、健康問題や経済苦、その引き金となる失業やリストラ、事業経営の困難、多重債務、飲酒、若年層では学校でのいじめや人間関係、薬物乱用などが挙げられてきました。それらが複雑に絡み合った心理的抑圧が、うつ病を初め、精神疾患や障害を引き起こし、自殺を誘発すると考えられています。日本社会の病理とまで言われるうつ病の蔓延と自殺者の多発に対する危機意識が高まり、最近も自殺問題を取り上げた特集番組や特集記事が連続して報じられています。先日、偶然私の目に飛び込んできたのが、小さな教育大国とも評されるフィンランドにおける自殺撲滅の取り組みでありました。そこで紹介されていたのは、国の機関である緊急相談SOSセンターで行われる継続した訪問相談活動、精神科専門医につなぐかかりつけ医のうつ診断力の向上、うつ専門看護師の養成、学校でのうつチェックと1年間に及ぶうつ克服学習カリキュラムの実施、ハローワークに当たる労働サービスセンターでの就労実現までの個別一貫支援体制、さらには、地域NPOが中心となって、自殺経験者や遺族を包み込んでうつを語れる偏見なき地域社会、これをつくる活動など、多様で、かつ個を重視する継続的な支援の実践でありました。これらの取り組みの積み上げによって、フィンランドでは、ピークであった1990年から自殺者を30%減少させることに成功しております。だれかが気づく、だれかの力につなぐ、このことによって、まさに「うつは治せる」「自殺は防ぐことができる」を具現化している取り組みだと感銘を受けました。現在、自殺者20%減少を目標に掲げる政府は、福島特命大臣のもとに緊急戦略チームを設置し、政府を挙げて自殺防止に乗り出しています。財政や担い手の育成など、国の枠組みで対処しなければならない課題は大きいですけれども、暮らしに最も近い自治体として課題を共有し、さらに対応力を高める取り組みが求められています。そこで、数点、御質問いたします。 まず第1に、自殺予防の最大の決め手は、実態の解明にあると言われています。自殺遂行者の動機や背景の解明、自殺未遂者にかかわる実態把握、自殺のおそれのあるケースの把握など、この間の本市の相談活動を通じた実態解明をどう評価しておられますか。 次に、自殺予防には医療面の支援から社会的な支援、さらには教育的ケアに至る総合的な支援を掌握し、対策を練り上げ、庁内にとどまらず、危機にある人を救済に飛び出すような機動性を備えた体制が求められています。先導的に取り組んでこられた本市の全庁体制の成果を踏まえ、体制強化の課題をお聞かせ願います。 第3には、自殺防止とうつ治療のかぎを握る精神科医療についてです。全国的にも、精神科医師の診断や抗うつ剤などの処方に対する疑問や不安が顕在化していると言われます。今年度版の自殺対策白書において、調査対象の半数近くに自殺者の死亡直前までの精神科受診歴があり、処方された向精神薬の過量摂取の影響が疑われ、精神科治療の質の向上が必要と初めて言及されました。本市においても、自殺者が生前処方されていた抗うつ剤の量に疑問があると、どこに問題を持っていったらよいのかとの相談を受けました。このような精神科医療に対する疑問や不安に、どのように対処をするのか、御所見を伺います。 この項の最後に、子どもたちを自殺予備軍にしないために、教育長にお伺いします。先般、日本の子どもたちの暴力事件が過去最多を記録したという報道を目にされたと思います。また、他方では、世界の子どもたちの中で、日本の子どもたちにうつ的傾向が強いという調査結果も報じられてきたところです。これらの背景に、成果主義に傾斜する教育制度がもたらす高ストレスの問題が言われます。本市においては、全国学力到達度調査にあらわれた得点の高さとは対照的に、学習状況調査で「夢を持って生きられる」「意欲を持って学習に臨める」と答えた児童・生徒の割合が平均を下回っていることも気にかかります。第2次学校教育金沢モデル戦略会議が発足しております。子どもたちの心理的な状況について、より重視し、その背景を分析し、施策の再検討に生かしていただくよう求めます。御所見を伺います。 「だれもが予備軍」「精密機械のような日本社会」「強くないと生きられない」、そして「寄り添うこと」「強く生きられる人がいれば生きられない人もいる、それが当たり前の社会」。これら自殺未遂者や遺族が発した言葉をかみしめつつ、次の質問に移ります。 第3項は、動物愛護と人との共生の地域をつくるために御質問いたします。 暮らしのパートナーとして、愛玩動物を飼養する家庭がふえています。それに伴い、犬や猫に起因する住民間のトラブルも頻発するようになっています。私自身、市内の幾つかの地域住民からの相談も受けてきました。また、動物愛護の活動に取り組む市民からは、心ない飼い主の無責任な飼養放棄などで、多くの犬や猫たちが殺処分されている現状を憂える声も聞いてきました。地域において、住民と愛玩動物が共存できるには何が必要か、これを考えていた矢先に、市民福祉常任委員会として、下関市動物愛護管理センターへの視察の機会を得ました。同センターの愛護棟では、市民団体と連携した動物愛護の啓発事業、動物ふれあい教室、また譲渡会が行われ、地域に出向いての出前教室にも取り組まれていました。一方、管理棟では、元来の引き取り動物の抑留と殺処分を実施しています。ここでは、殺処分において、安楽死させる麻酔ガス吸入リサイクルシステムが特許開発されておりました。殺処分施設も市民に公開し、動物を飼うことへの責任意識を醸成することに努めていました。これらには、殺処分に立ち会う獣医師の深い悩みと動物愛を感じさせるものがありました。近年、殺処分ゼロという快挙を実現している熊本市動物愛護管理センターの取り組みはユニークです。センターに安易にペットを持ち込む飼い主には、言葉を荒らげてでも再考を促し、事情がある場合には、飼い主探しなど、別の方法を提案するなどして引き取りの数を減らし、やむを得ず引き取ったペットは、譲渡の仕組みを通じ、新たな飼い主に引き渡していくのです。取り組み次第では、愛玩動物飼養のマナーを向上させ、引き取り数の抑制や譲渡によって、殺処分を回避することは可能であることを教えてくれていると思います。そこでまず、本市の愛玩動物の愛護と管理に関する現状がどうなっているのかお尋ねします。 次に、動物愛護と適正な飼養マナーの普及啓発の課題に対して、本市がどのような役割を果たしてきたのか、また、課題をどう受けとめておられるのかをお聞かせください。 ところで、動物の命を奪わず、一匹でも多く生かしたいとの願いは、命をとうとぶすべての人の心に共通したものだと思います。本市において、それを実現させるために、下関市動物愛護管理センターのリニューアルに当たって、視察先の一つになったという本市の小動物管理センターが、愛玩動物を生かし、命への愛情と愛護精神をはぐくむ拠点施設へと発展することを大いに期待するものです。そのために、各種啓発活動や一時保護、そして譲渡活動の推進に市民団体や有志市民の力をかりたり、センターの施設や空間を提供するなどして、市民協働の仕組みを整えていくことが必要だと思います。御所見を伺います。 この項の最後に、猫の不妊・去勢手術助成事業について申し上げます。先般の行政評価第三者委員会で、同助成事業の廃止が裁定されました。この助成制度は、無秩序な繁殖による野良化を防ぐためのボランティア団体などの活動を支援する役割も果たしてきており、一律廃止ではなく、効果的再編を検討するべきだと考えます。あわせて見解をお尋ねします。 質問の第4項目は、核廃絶に向けた本市の平和施策の充実についてであります。 私は、オバマ政権の外交軍事政策を全面的に肯定する立場ではありませんが、核使用に対するアメリカの道義的責任と核なき世界を呼びかけたプラハ・オバマ演説が、世界の核廃絶を希求する多くの人々に支持され、核廃絶の運動に弾みをつけたことは疑い得ません。世界最大の超核大国アメリカにこそ、恐怖の核抑止論を乗り越え、みずから核廃絶の先頭に立って実践する責任があります。一方、日本の鳩山首相も、アメリカとの対等のパートナーシップを打ち出すとともに、東アジア共同体構想を表明しております。反核平和を結党の原点としてきた社民党は、この東アジアに非核地帯の実現を目指して取り組んでいくことになります。こうした世界的な情勢の変化の中で、広島・長崎の被爆から65周年の節目に当たる2010年は、核拡散防止条約再検討会議を迎えます。5年前の会議では、全面的な核廃絶への合意ができず、その後、パキスタン、北朝鮮などの核開発を初め、核不拡散体制の危機を誘発させてきました。その意味で、2010年の再検討会議には実効性ある核廃絶へのロードマップが描かれるよう、国際的な期待が高まっているのです。この再検討会議に向けて、本市も加盟する平和市長会議は、2020年までに核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」を推進するために、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択を国際社会に働きかけております。地方都市のイニシアチブによって、悲願である核廃絶の道筋を切り開こうとする積極的な取り組みです。これらには、国内外のNGOなどの市民団体もまた参画しております。翻って、本市の2009年も、自治体の平和外交では大きな貢献があったと思います。イスラエル、パレスチナ双方の戦争遺児を招いた交流事業である中東和平プロジェクトの金沢開催、世界連邦日本大会の開催には、縁あって私も参加の機会を得ました。また、議会も台湾訪問に始まり、姉妹都市蘇州市・全州市、友好交流都市大連市への公式訪問、韓国禮山郡との交流などが実施され、アジアの自治体間の信頼関係の醸成に寄与しております。その本市として、平和都市宣言から25年、ヒロシマ・ナガサキ65周年の節目に当たり、核拡散防止条約再検討会議の前進を期した反核平和事業の推進を提案いたします。本市内外に非核平和世界の希求を大きく宣言するイベントの開催や、平和運動団体の活動への支援事業に取り組んではいかがでしょうか。山出市長の前向きな御答弁を期待いたします。 質問の第5項は、市民のつぶやきから申し上げます。 2006年9月議会のこの項で、私は、かけかえられた上菊橋詰めに信号機を取りつけてほしいとの地元の要望を取り上げました。その際には、市長に「現地確認の上、公安委員会へ設置の要請をしている」との答弁をいただいております。さらには、地元の意見を踏まえ、安全施設の充実に努める旨、前向きな姿勢も示していただきました。しかしながら、あれから3年間、左岸側の地元町会からの要望も重ねられたにもかかわらず、上菊橋両詰めへの信号機の設置はいまだになされず、ついに、去る11月17日の夜間に、城南2丁目の該当の橋詰め交差点に向かう市道上で、ひき逃げ死亡事故という最悪の事態が発生してしまいました。交差点内ではありませんが、わずか20メートルほど手前の路上ですから、地元住民の間では、信号機設置による減速・安全確認効果によって、最悪の事態は防ぐこともできたかもしれないとの思いが強まっています。この事故を知って、私は、本市の所管に信号機設置要望の進捗について、県公安委員会に確認を求めました。すると、当該箇所への信号機設置は必要なしとの判断がなされていたことがようやくわかりました。この公安委員会の判断は、要望を行った本市にも、地元町会にも回答されておりませんので、地元住民にとっては、要望の実現を首を長くして待っていた矢先の事故であったわけです。当然にも地元住民組織では、この判断には納得しておりませんし、第2、第3の事故の発生への懸念も高まっています。また、市道沿線上の危険箇所の安全対策に関する新たな課題も生まれております。本市には、できるだけ速やかに、県警、公安委員会に働きかけ、県・市、そして地域住民との現地確認、要望趣旨を共通理解するための協議の場を設定することを強く求めます。 加えて、お尋ねします。本市が中に入る形で県に要望している交通安全施設設置への進捗状況は、どの程度確認できていますでしょうか。また、要望が実現できない場合の要望者への説明はなされてきているのでしょうか。 以上、御所見をお伺いして私の質問を終わります。 ありがとうございました。   (拍手) ○田中展郎副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 28番森議員にお答えをします。 まず、年末年始、金沢市でも、昨年の派遣村のようなことの起きぬようにという御趣旨でありました。国に呼応しまして、本年度の当初予算、6月、9月の補正予算、そして今回の補正予算、中小企業緊急雇用安定助成金、これの市の単独助成枠の追加、それから緊急地域雇用創出事業、公共事業の追加、こういうことをお諮りし、措置をしてきたわけであります。加えまして、先般、国が追加の緊急経済対策を閣議決定いたしておりますことから、市としても引き続きこれに呼応しまして、景気・雇用対策を進めていかなければいけないと、そう思っています。あわせまして、年末に向けて、就職・融資・住宅・生活、こうしたことに関するところの相談窓口をお休みの日も開設しているところでございます。引き続き、市としてなし得る最善を尽くしたい、このように思っています。 ホームレスの方の仕事出しはできぬのだろうかという御趣旨でありました。ホームレスの方に対しましては、私は、安定した居住の場所を確保しておあげすると、これがまずは重要なことと思っています。その上で、総合的な自立支援施策を講じていく必要があると考えております。今後、緊急雇用創出事業におきまして、ホームレスの方も応募できるように、周知に努めてまいりたいと、このように思っています。   〔副議長退席、議長着席〕 事業仕分けを市でもやれないのかという御趣旨でありました。私は、これについては、1つは統治構造の問題を指摘したいと思っていまして、国は内閣と国会は一体でございますし、地方は市長と議会は二元であります。議会のチェックは、そういう意味で確保されているというふうに思っています。市は住民に最も身近な基礎的自治体でございまして、さまざまな形で住民のお声は市政に反映をされているというふうに思っています。市自体といたしましても、民間の有識者等によります第三者の評価を実施していますし、新年度の予算編成におきましても、新規要求につきまして、事前の評価を導入するということもしたわけでございます。さきの国の事業仕分けをそのまま実施をするということには、一面、地方には国の法定受託事務もございます。義務づけ等、国の関与のある事務もありまして、みずから制度を見直せる国とは違うということを思っています。そうしたこともありますので、以上を総じまして、論理からいきますと、私は、慎重であったほうがいいと、そういうことを思っていることを申し上げておきたいと思います。 内需拡大等に向けて、中小企業を対象にした地元充実の施策というのは、実際にとれるのかという御趣旨であったと思います。明年度に予定しておりますものに公共施設の耐震化、無電柱化等の身近な生活関連施設の整備がございます。河川のしゅんせつ、道路・下水道の改修、こうした維持補修的な公共事業もあります。これによりまして、地元企業を主体にした受注が期待されるところでございますし、個々の事業の発注に当たりましても、できるだけ地元企業への配慮に努めておりますことから、地域経済への波及効果はいささか期待はできると、このように思っておる次第でございます。このほか、雇用対策を講じている企業への支援、それから地元企業への制度融資の拡充等にも努めておるわけでございまして、引き続き御指摘の地元の経済の安定ということには、全力を傾けてまいりたいと、こう思っています。 ワンストップサービスについて御指摘でありました。このサービスに来られる方の相談というのは、さまざまな部署・分野にかかわるというふうに思います。それだけに、市役所、それから社会福祉協議会、ハローワーク、こうした機関がしっかりと横の連携をとりまして、なおかつ相談者の立場に立って適切に対応していくことが肝心だと思っています。御参考までに、石川労働局におきましても、ワンストップサービスを12月25日に開催をするというふうに聞いてございまして、ここへは市も参加をすることに決めました。このワンストップサービスに対する考え方というのは、今、金沢市が年末相談窓口を設置することにしたわけでございますが、ここでも同様でございます。7日に庁内で関係窓口担当課事務打ち合わせ会というのをしたわけでございますが、私もここに出まして、たらい回しのないようにと、こんなことを職員に直接指示をしたところでございます。 12月補正、それから来年度予算編成に当たって、大きい税収減が予定される中で、どういう対応をするのかと、そういうお尋ねでございました。歳出の面からいきますと、不要不急の事業は廃止はできぬだろうか、縮減はできぬだろうかということは考えていかなければなりません。効率的な行政運営に努めるということでございますし、歳入面にありましては、課税対象の確実な把握、徴収率の向上、こういうことに努めなければならないことは当然でございますし、交付税措置のある有利な起債、あるいは基金の有効活用、こういうことも考えまして、財源確保に工夫を凝らしたいと、こう思っています。地方交付税など、地方が必要となる一般財源総額、この確保について、市長会等を通じて国に求めてまいりたい、こう思っております。 自殺防止の取り組みについてお尋ねでございまして、実態解明はどの程度進んでいるのかというお尋ねでありました。金沢市の相談窓口では、本年4月から10月まで、延べにしますと176件の相談を受けています。傾向としますと、うつ病等の健康問題、それから経済的な問題、それに家庭の問題、これが原因になっている相談が多く見られまして、こうした傾向は全国の状況と同じではなかろうかと、こう思っています。 それから、体制強化の課題、これをお尋ねになったわけでございますが、自殺へつながるおそれのある相談につきましては、その背景と原因が多様でございますので、各課の連携が大切だというふうに思っています。連携を強化いたしますとともに、必要に応じまして、医療の関係者とか弁護士等の専門家への相談を勧めておる次第でございます。あわせまして、相談窓口の職員の資質を高めるということも大事でございまして、研修、意識啓発、こんなことに取り組んでいくことにいたしております。 精神科医療への対応は福祉健康局長からお答えをし、また、次に動物愛護のことをお触れでございました。愛玩動物の管理の状況、このことは福祉健康局長からお答えをいたしまして、私からは小動物管理センター、これの市民協働の仕組みをつくっていくことも大事だという御指摘がございましたので、お答えをしたいと思いますが、小動物の管理センターにつきましては、殺処分の数を減らすための施策を進める、こんなことなど、動物愛護施策の充実に資してまいりたいと、このように思っています。犬の飼い方教室を開くとか、マナーの啓発パトロールをするとか、市民の方々と一緒になった取り組みを進めてきたところでございますが、さらに一層、市民の皆さんとの連携を深めることに努力をしていきたいと、こう思っています。 猫の不妊・去勢手術助成事業にお触れでございました。この不妊・去勢の手術というものは、殺処分の数を減らすためには、効果的な手段であるというふうに思っています。動物愛護の観点からいたしまして、不妊・去勢手術費用の助成の必要性について検討をいたしました上で、より効果的な見直しを行ってまいりたいと、こう思っています。 核廃絶に向けた本市の平和施策の充実ということについてお尋ねになりました。金沢市は、今月の初めでございましたが、広島市長が会長を務めております平和市長会議、これに正式に加盟をしました。この機会に、明年夏に広島市と広島平和文化センターとの共催で原爆展を市内で実施をするということにいたしています。御指摘にもありましたが、私も過日のノルウェーでのオバマ大統領のノーベル平和賞授賞式の演説を読みました。意外な表現と受けとめる部分もないわけではなかったわけでございますが、中にこんなのがありました。平和には責任が必要だと。平和は犠牲を伴う。だからこそ、我々は、国連と地域の平和維持活動を強化せねばならない。その役割を限られた国に任せてはいけないと、こういう趣旨が書かれてありました。来年5月に金沢市で開催をいたします第2回の日仏自治体交流会議のような場における世界の各都市との交流、こんなことも大事にしたいというふうに思っておりますし、増加している外国人観光客に対する温かいおもてなし、これも必要でございまして、いろいろと地道な積み重ねもいたしまして、平和への貢献に連なればと、このように思っておる次第でございます。なお、平和行政に寄与する活動を行っている団体の方々には敬意を表しますが、こうした団体は多種多様でございますし、数多くございまして、支援はなかなか難しいと、そのように思っておる次第でございます。 上菊橋詰めの信号機のことにつきましてお尋ねがありました。詳細は土木部長からお答えをいたします。私としても、協議を進めることに努力をしたいと、こう思っています。 ○高村佳伸議長 梶原福祉健康局長。   〔梶原慎志福祉健康局長登壇〕 ◎梶原慎志福祉健康局長 自殺防止の取り組みにつきまして、精神科医療に対する疑問や不安について、どのように対応するかとのお尋ねがございました。福祉健康センターと保健所におきまして、医療相談窓口を開設し、相談に応じるとともに、必要に応じ、相談者には情報提供を行い、医療機関に対しては本人に説明するよう依頼するなど、相談者や医療機関に対し、助言を行っているところであります。 次に、動物愛護に関しまして、愛玩動物の愛護と管理に関する業務の現状について御質問がございました。小動物管理センターの平成20年度における現状は、犬の保護・捕獲69頭、引き取り28頭、返還52頭、譲渡12頭、処分31頭であります。犬に関する苦情は183件、相談は308件であります。また、猫につきましては、引き取り384頭、譲渡28頭、処分382頭であります。猫に関する苦情は163件、相談は190件であります。 次に、本市の愛玩動物の飼養マナーの普及啓発の取り組みと課題につきましてお尋ねがありました。本市では、市民団体と連携した河川敷や公園での啓発パトロールの実施や、動物愛護週間行事の開催などを通じて、飼い主マナーの啓発や、犬や猫に関するトラブル防止のため、市民の方々へのペットへの適正な飼い方の指導・普及に努めてきたところでございます。ペットの適正な飼い方につきましては、基本的には飼い主個々のマナーの問題であり、その向上がペットを終生のパートナーとし、ひいては殺処分数の減少につながるものと考えているところでございます。 以上でございます。 ○高村佳伸議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 自殺防止の取り組みについて、子どもたちの心理的な状況について、より重視し、その背景を分析し、施策の再検討に生かしていくことが求められるがどうかとのお尋ねがございました。少子化などの社会の急激な変化に伴い、子どもたちの人間関係づくりの未熟さなどが懸念されております。児童・生徒が企画する行事等を通して、人とかかわる力をはぐくみ、物事をなし遂げる喜びや達成感を感じることは、子どもたちの自信にもつながり、大切だと考えております。本市においては、今年度より、第2次学校教育金沢モデルの大きな柱の一つに金沢「絆」教育を位置づけたところでございます。戦略会議での議論もいただき、保護者や地域とも連携しながら、人と人とのつながりを大切にした取り組みを進め、自他の命を尊重する態度を育てていきたい。日々の積み重ねが大事と思っております。 以上でございます。 ○高村佳伸議長 前多土木部長。   〔前多 豊都市整備局土木部長登壇〕 ◎前多豊都市整備局土木部長 上菊橋詰め信号機未設置を通じて、地元と警察の協議についてのお尋ねがございました。信号機の設置につきましては、地元からの要望を受け、所轄の警察と協議を行いまして、公安委員会へ要請を行ってまいりました。この場所での信号機は未設置であることから、今後、地元の皆様と所轄の警察を交えまして、再度、現地の確認と協議を進めてまいりたいと考えています。 次に、市が中に入る形で要望している信号機設置の進捗状況と、設置できない場合の説明についてのお尋ねでありました。市が地元からの要望を受けまして、信号機の設置について協議を進めてきたものは、平成18年度からの4年間で22基ございまして、そのうち11基が設置されています。今後、未設置の箇所につきましては、所轄の警察署を通じて、公安委員会に確認をしながら、その都度、地元への説明に努めてまいります。 以上でございます。   〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○高村佳伸議長 28番森一敏議員。 ◆森一敏議員 まず、平和施策に関しまして、金沢市としての非常に積極的なこれまでの取り組み、そして今後の取り組みに向けた決意、そういうものについて、私は全面的に賛同します。1点、平和運動団体への支援ということにつきまして、難しいという御答弁があったわけですけれども、私は、もう少し工夫をしていただきたいなという思いを持っておりまして、これにつきましては、答弁を求めるものではありません。 質問としましては、まず動物愛護に関してのことですけれども、市民協働、これまでも幾つか取り組まれてきていたということは私も承知しておりますけれども、もっと踏み込む必要があろうということを基本的に思っております。そして、その意欲を持った市民団体、あるいは有志の方というのは金沢市内にも在住しておられるということを聞いていまして、ぜひ行政の側から呼びかけを行う形で、その仕組みづくりに向けて、具体的な検討をしていただきたいということを思っております。再度、そのことについて、もう一歩踏み込んだ御答弁をいただけたらありがたいと思います。 それから、もう1点ですが、自殺対策の中で、精神科医との関係です。これは助言を場合によってはしておられるという、そういう御答弁であったように私は伺ったわけですけれども、介護や医療、この施設の中での、例えば高齢者の虐待問題なんかも含めて、福祉の側と医療の側とのそういう問題対処に当たって、なかなか難しい面があるということを私は伺ったことがあります。そういう事柄が、今の御答弁の中で具体が起こったときに、やはり相談者の不安とか、そういうものにしっかりとこたえていくようなことで、医療機関に対する指導というものが制約があるという面はないのか。それがもしあるとすれば、どういうところを越えていかなければならないのか、そのあたりについての御認識をちょっと伺っておきたいというふうに思うんです。実際に、金沢市民の中にも、精神科医の方の処方とか指導について、やはり不安を持っておられる、そして、自殺されてしまった方について、そういうことが疑われるというふうなケースを私は直接聞いていまして、そういう方々が役所の関係の窓口にこの問題を持ち込んでいったときに、どんなふうな対処になっていくのかということについて、もう少し明確にしていただければありがたいということを思います。 最後に、教育委員会に対して、浅香教育長に申し上げたいんですけれども、自他の生命を大切にするという態度育成、大変大切なことですので、もとより、私は異論はありませんけれども、私の今回の質問の中で申し上げたのは、いろいろなことをやってこられて、それが負荷になってはいないのかという観点なんです。ですから、余り頑張り過ぎないで、子どもたちが伸び伸びと、そして、学校にかかわるさまざまな立場の人がもう少しゆとりを持って伸び伸びと教育活動が行われていくような中で、予備軍をつくらないような土壌をつくるといいますか、そういう観点でぜひ分析・検討をしていただきたいという趣旨で申し上げましたので、改めて答弁をいただきたいと思います。 以上です。 ○高村佳伸議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 2つございまして、1つは動物愛護のことについて、市民との連携をさらに進めるようにということでございました。努力をしてまいりたいと、こう思っています。 2つ目は、自殺防止のための精神科医療のことでございますが、このことについての一つの難しさというのは、患者と医師の関係、これは基本的には信頼関係が必要でございまして、その信頼関係のもとで医療というのが提供されるということが大切でございますし、もう一つ、医療は医師の高度な専門性に基づきまして患者に提供されるものでありますから、市としては、個々の診療内容について深入りをするということについては、どちらかといいますれば、やはり間を置くというのが市としての正しいありようではなかろうかと思ってございまして、そうした意味で、市と医師との信頼関係、これも大切になってくるというふうに思っています。個々のケースに応じまして、できるかできないか、よく検討をしたいと、こう思います。 ○高村佳伸議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 私は、頑張るときには頑張る、でも、なぜ頑張れるかというところも大事だと思っています。また、子どもも大人も頑張り過ぎてはいけない、頑張らないでというときも大事だと思っています。今、御指摘の点については、今までのことも含めながら、また第2次学校教育金沢モデルの構築の中で、一緒に考えていきたいと思っております。 ○高村佳伸議長 37番玉野道議員。   〔37番玉野 道議員登壇〕   (拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、新政権の発足に関してであります。 さて、中央集権体制を改め、地域主権国家へと転換するとマニフェストに明記した新政権は、官僚主導から政治主導への転換と新たな政策決定システムにより、2009年度補正予算の執行停止や事業仕分け、予算の組み替えなど、マニフェストの実現に向け、次々と新たな施策や提案を打ち出しています。2010年度の政府予算編成についても、財務省原案を作成しない方針で、一気に政府予算案を決定する可能性もあると言われています。また、各省庁の大臣や局長に予算確保を働きかけてきた前政権下での要望活動も、政府・与党の一元化と要望システムの新たなルールや要望判定会議などとさま変わりし、政権交代後、初の予算編成を控えて、自治体関係者の間に困惑と戸惑いが広がっていると言われております。いずれにせよ、新政権発足による新しい時代の幕あけを迎え、私たちは単に前政権対応から新政権対応に切りかえるとの認識ではなく、私たちの生活にどのような変化をもたらすかを見きわめる必要があります。しかし、来年度予算案の財源確保のめどが立たず、予算案決定日程に暗雲が立ち込めています。そこで、来年度政府予算案に対する要望活動と対応について、市長にお伺いをいたします。 さて、政府のデフレ宣言により、景気の底割れが現実味を帯び、厳しい雇用情勢や長引く経済縮小によるデフレスパイラルへの危機を踏まえ、的確な対策と2次補正予算の実施が求められています。本市においても、依然として厳しい経済状況を反映して、中小企業の雇用維持などに支払われる国の助成制度の利用申請が急増しています。補正予算の凍結や事業仕分け、財政難による目玉政策の見直しなど、マニフェストに掲げられた政策そのものが揺らいでいることから、本市事業計画の先行きの不透明さと本市経済や雇用環境への影響を危惧しますが、本市事業や来年度予算編成作業への影響についてお尋ねをいたします。 さて、新政権の発足により、政治に対する期待感が膨らむ一方で、マニフェスト実現の財源確保のため、今年度補正予算の多くが執行停止となりました。補正予算の成立と執行には議会承認が大前提であり、予算執行のための関連法律や条文も含めて、成立済みでありました。議会承認を経て成立した補正予算の執行を停止するなら、無効にする議決を行い、それらに伴う法律条文も無効としなければならないのではないかとの声があります。特に、子育て応援特別手当については、新政権は当初、支給に前向きな考え方を示していたものの、子ども手当の創設により、恒久的な子育て支援策に資する財源に振り向けるとして、一方的に執行停止としました。子育て応援特別手当は、支給時期などを各自治体が独自で定められる仕組みとなっていただけに、支給開始直前の執行停止判断基準や政策変更理由も示されることなく方針転換されたことは、地域主権の理念とはほど遠く、地方自治体と地方議会のあり方の根幹を揺るがし、新政権への期待をも損なう問題であると考えます。いずれにせよ、新政権が掲げる政治主導が結果的に中央主導となり、地方自治体や市民生活、地域経済活動を混乱させる姿勢は、地域主権国家の母体は基礎自治体、地域主権国家への転換を強調する新政権の理念とメッセージに大きな違いを感じていますが、市長のお考えをお聞かせください。 質問の2点目は、税制改正と子ども手当、母子加算の復活に関してであります。 新政権は「控除から手当」という税制改正を掲げ、目玉政策でもある子ども手当の財源確保のため、扶養控除、配偶者控除、特定扶養控除などの見直しのほか、公約にはなかった住民税の扶養控除廃止など、地方負担につながりかねない政策転換に対して、子ども手当のボイコットを表明している首長もあります。また、子ども手当の家庭への現金給付については、本当に子どものために使われるかどうかは不明確との意見もあり、使途を限定したバウチャー制度など、政策目標を明確にする必要性があるとの指摘や、公立小中学校の児童1人当たりの予算が年間76万円規模であることから、子ども1人に年間31万円余りの給付を可能とするなら、少人数クラスの実現など、学校教育に予算を大幅にふやすことも不可能ではなく、そのほうが日本の未来に効果的であるとの声もあり、子ども手当の制度設計は難航しています。内閣府の調査では、子どもを育てる環境に恵まれない人が依然として多く、行政の支援が働く女性の実態に追いついていない現状を浮き彫りにしています。今後の福祉政策が現金給付に偏重することなく、これまでの現物支給による支給形態との整合性を図りつつ、保育所や地域子育て施設の拡充や労働環境の改善策も必要と考えます。そこで、子ども手当のあり方と、仕事と子育ての両立を支援する環境整備と社会保障のあり方などについて、あわせてお尋ねをいたします。 また、子ども手当を全額国費で賄うとしていますが、廃止となる児童手当は、税金である国庫負担と地方負担や事業主拠出金が財源となっていました。事業主拠出金は、これまで児童育成事業へ充当され、放課後児童クラブや病児・病後児保育、地域の子育て支援などの財源に充てられていました。その事業主拠出金がなくなり、概算要求では予算額を明記しない事項要求となっていることから、事業の先行き不安や事業主と地方の関与と位置づけも課題と考えますが、あわせてお尋ねをいたします。 一方、子ども手当の財源確保のための所得税と住民税の控除の見直しにより、課税最低限が下がることによる影響や、生活保護制度での生活費の年齢別基準の生活扶助基準などとの整合性も問われることになります。また、新政権は子ども手当については収入と認定しないとしていた主張を、収入として認定するとの一方で、課税所得としないとする矛盾の混在により、生活保護基準が変動し、非課税世帯が課税世帯になることや、所得課税率によって細かく定められている保育料や市営住宅入居資格などを定める条例などへの波及が推測されます。また、控除の見直しは、企業が社員に支給する各種手当や、パート雇用や配偶者の働き方、専業主婦の在宅介護家庭や年金生活の老夫婦世帯などへの影響に加え、企業や家庭、雇用や年金、雇用保険適用など、各分野にも波及する問題と考えます。そこで、控除から手当への税制改正に伴う市民生活への影響と、システム変更などを初めとした市政への影響について、あわせてお尋ねをいたします。 さて、昨年来の不況が経済的に脆弱な子育て世帯を直撃しており、特に子どものいるひとり親世帯の相対的貧困率が54.3%との数値は、ひとり親世帯を取り巻く経済環境の厳しさを浮き彫りにしています。今補正予算案に、6億2,000万円余の生活保護扶助費が計上されています。政権交代の象徴とされる生活保護世帯の母子加算の復活については、この3月末、前政権下でひとり親世帯が1年間に受給できる生活保護費の総額が、生活保護を受けていないひとり親世帯の収入を上回っていることや、働いていても生活保護を受けている人よりも収入が少ない低所得者層との公平性を理由に廃止された母子加算が、この12月から復活支給となりました。生活保護制度は、憲法で保障する最低限度の生活に必要な額として、これまで国が定めてきた生活保護基準の食費、被服費、光熱費などを含む生活扶助のほか、住宅費、教育費など8種類の扶助費との兼ね合いにより算定されていますが、来年度予算の概算要求では、復活した母子加算は事項要求となっていることから、生活保護基準と就学支援費、学習支援費などのあり方も含めて、その政策目標と理念をあいまいにしていると考えます。また、母子加算の復活支給と子ども手当の収入認定に伴い、生活保護基準が上がることは喜ばしいことでもあります。しかし、生活保護基準と最低賃金は「整合性に配慮する」と法律で明記されているように、生活保護基準は最低賃金や非課税限度額、就学補助など、制度の指標的位置づけにもなっています。また、高校授業料無料化による特定扶養控除と高校就学費と学習支援制度のあり方や、老齢加算の復活問題、父子家庭の実態を反映した支援策と職業につけない若年層への支援、最低賃金と中小企業経営への影響など、おのおのの施策との調整と整合性を図ることが必要になると思いますが、本市における最低限度の生活保障のお考えをあわせお尋ねをいたします。 質問の3点目は、農業政策に関してであります。 新政権が農業再生の切り札とする、全農家を対象に他産業並みの所得補償を農協や市町村を経由せず、直接農家に給付する戸別所得補償制度の制度設計がおくれています。一方、米価を維持するために約40年間行われ、農業政策の根幹を占めてきた米の生産調整--減反政策が見直され、農業政策は大転換することになります。しかし、戸別所得補償制度の根幹をなし、来年度予算に反映されるべき補償額の数値算定などが迷走していることや、地方の事務作業が膨大になることが予測されることから、来年度予算編成への影響が危惧されていますが、いかがでしょうか。 また、前政権下での農業政策は、水田・畑作経営所得安定対策に基づいて、若い世代の担い手の確保と育成を図る認定農業者制度や、大規模農家の育成と集落営農の組織化・法人化など、農地集積と経営の効率化・安定化を主眼とした政策目標を掲げています。一方、新政権は、米の生産費と販売価格の差額を全農家へ直接交付する米戸別所得補償を2010年度から先行実施するとしています。そして、ある意味、現行の担い手育成支援策や集落営農と呼ばれる営農組織の育成に対抗する政策との受けとめ方があります。現に、米戸別所得補償を得るために、規模拡大を目指す専業農家などに貸していた農地の返還を求める農家や、集落営農から離脱をする農家など、農地の貸しはがしとも言われる事柄が想定されていますし、新政権内においても、政策目標と事業効果に疑問を呈する声があります。そこで、新政権の補正予算執行停止や事業仕分けによる農業基盤整備事業などの判定結果を含め、前政権下での農業政策との整合性や修正作業について、あわせてお聞かせください。 また、米戸別所得補償制度については、新政権は当初、小規模農家も含む全農家を所得補償の対象としていましたが、販売農家に限定するとの政策転換を図っています。また、これまでの地域別助成単価を全国一律とするとの制度転換により、地方裁量にゆだねられていた助成単価設定権は国に返上となるなど、新政権が掲げる地域主権の理念に反しているとの声があります。いずれにせよ、小規模農家の救済と産業としての自立強化という異なる政策目標を同一的に掲げた政策の両立には、多くの矛盾と課題があります。政策の継続性も含め、行政運営のあり方も問われてくると考えますが、いかがでしょうか。 また、この6月改正、12月施行となった改正農地法と農業経営基盤強化促進法の改正に伴い、土地の所有権と賃借権の切り離しや農地の利用集積計画と規模拡大を政策目標に、2015年までに個人経営、法人、集落営農での農業の担い手確保が図られるとして、2010年度は農業構造の展望を開く節目の年と位置づけられていました。しかし、新政権により、2010年度から米戸別所得補償制度のモデル事業が開始されることから、現行の各種施策や制度の根幹が異なる政策が実行されることになります。そこで、本市の現行食料・農業・農村基本計画に基づく施策との整合性と基本計画の改定のお考えについて、あわせてお尋ねをいたします。 質問の4点目は、地域主権国家への転換に関してであります。 さて、自治体の仕事内容や方法を定める義務づけ・枠づけの見直しについて、地方分権改革推進委員会の勧告は、892項目の廃止などを政府に求めました。新政権は、地方要望の強い104項目について、法改正を待たず、暫定処置として政省令の改正などを見直し、可能な項目に対応するとしていましたが、その見直し回答は28項目にとどまっていることから、地域主権の理念のもと、義務づけ・枠づけの見直しの進展が求められています。今後、見直し作業の進捗を受け、地域主権型社会の実現に向け、自治体みずからが判断し、基準を制定する責任を負い、新たな権限を行使し、市民サービスにつなげるとの意識改革も必要と考えます。また、新政権による地域主権国家の方向性として、住民投票法の制定や議会機能の強化などもマニフェストに明記されており、地域主権基本法制定の考え方も示されています。そこで、これらの方向性を踏まえ、市長のお考えをお聞かせください。 一方、この間、知事会や市長会が主張してきた分権改革論議については、権限移譲と税源移譲などの論議に偏重していたとの指摘があり、「地域主権国家の母体は基礎自治体」との理念のもと、都道府県ではなく、直接、市に移譲されるべきとの声もあります。そして、2011年度からの補助金の一括交付金などの分権策づくりが進められることにより、市民にとってその予算はどうなのかという視点に立った論議を進め、真に市民が登場する事業計画の立案と市民の意思が反映された政策決定のあり方も求められていると考えます。それだけに、本市と県との間で業務が重複する事務事業の一体化、連携強化など、行政コストの削減や住民サービスの向上につなげるため、協働政策会議的な取り組みが今以上に求められていると考えますが、基礎的自治体への権限移譲と税財源移譲に向けた市長の思いをお尋ねいたします。 また、国と地方の主従制度の象徴とも言われてきた国の公共事業に対する地方負担金制度について、知事会は制度の廃止や見直しを国に求めていますが、その主張の整合性からも、同様の構図となっている市の負担金制度についても、県との協議を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。お尋ねをいたします。 さて、新政権は、政治主導で国と地方の関係をめぐる新たな基本指針を策定し、補助金の一括交付金など、マニフェストの実現に向け、地域主権戦略会議や、国と地方の協議の場とする国・地方調整会議(仮称)の法制化と設置方針を固めております。また、義務づけ・枠づけの見直しと条例制定権の拡大についても、地方分権改革推進計画に盛り込み、通常国会に法改正案を提出するとしています。こうした方針を踏まえ、本市においても、地方分権と地域主権の実現に向けた取り組みを推進していくことが必要と考えます。そこで、地方分権時代と地域主権国家への転換にふさわしい予算編成のあり方と、新政権誕生における政策理念の変更や政策転換など、今の変化をどのように新政権誕生後初となる予算編成に反映させるのかをお尋ねし、私の質問を終わります。   (拍手) ○高村佳伸議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 37番玉野議員にお答えをいたします。 まず、新政権下で政府予算に対する要望活動、対応について、どういう考えを持っておるかというお尋ねでありました。新しい政権によります政策転換に伴いまして、自治体側に戸惑いがあることは事実だと思います。要請活動につきましては、内容の整理も必要というふうに思います。地方の声が確実に伝わるように、またそのことで必要な予算が確保されるように、適時に適切に対応してまいりたいと、このように思っています。議員各位の御指導と御支援をお願いする次第でございます。 事業仕分けについて、本市への影響をお尋ねになりました。国の補正予算凍結で影響を受ける事業は4つの事業で、ほとんどが子育て応援特別手当支給費の4億6,000万円でございます。影響額は5億円程度にとどまる見通しでございます。また、21年度当初ベースの本市の事業の中で、104の事業、300億円余が仕分けの対象になったわけでございますが、このうち、どれだけ削減等がなされるかについては、明らかになっていません。国の予算編成の動向を十分見きわめて、誤りのないように対処してまいりたいと、このように思っています。 国の補正予算の執行停止、これは地域主体の考え方に反するのではなかろうかという御趣旨でありました。政権交代によりまして、マニフェストに従って政策に変化が生じていると、こう思っています。そこで、御指摘の子育て応援特別手当等の補正予算の執行停止でありますが、これは子ども手当とのかかわりから起こったものというふうに思っておりまして、一定の予想もされたところでございます。もちろん、改革を進めるに当たって、現場の自治体とか市民の皆さんに混乱が生じるというようなことがあってはなりません。必要に応じまして、国に配慮を求めてまいりたい、このように思っています。 福祉施策について、現金支給と現物支給、この2つの兼ね合いについてお触れでございました。言われるところの子ども手当の目的は、子育ての経済的負担を軽くして、安心して出産をし、子どもが育てられる社会を目指そうというものだと聞いています。本市が今年度策定のかなざわ子育て夢プラン2010におきましては、親子が豊かな時間を共有できる子育て環境づくり、まちづくり、これを基本方針にする予定でございます。少子化対策にありましては、現金支給と現物支給のバランスに配慮していくことが必要でございますし、その上で国と地方が役割を分担して、そして効果的な施策を進めていくべきと、こう思っておる次第でございます。 児童手当の廃止に伴います地方と事業主の位置づけ、事業主拠出金のことをお触れでありました。制度のあり方、経費の取り扱いにつきましては、現時点で詳細は明らかでありません。なお、子ども手当の創設に当たりましては、都市自治体の意見を十分反映するとともに、これに要する経費は、人件費、事務費を含めて全額国庫負担とするように、全国市長会を通じまして、国に要望をしているところでございます。 この手当の創設による控除の見直しについてお触れでございました。政府の税制調査会で審議中でございます。関心を寄せていますが、全体像と詳細、これはまだ明らかになっておりません。したがいまして、具体的な影響について、現時点で予測することは難しいわけでありまして、税制改正の内容、子ども手当制度の中身と対応、これを注視していきたいと、このように思います。 母子加算の復活と生活保護基準のことにお触れでございました。生活保護制度は、最低限度の生活を保障したものでございまして、国の責任において、全国一律の基準で実施すべきでございます。この基準改正に伴いますさまざまな制度への対応につきましては、まずは国がしっかり整合性をとっていくべきでございます。国の対応を受けまして、必要があれば、全国市長会等を通じて要請をしてまいる所存でございます。 農業政策につきまして幾つかお尋ねでありました。まず、戸別所得補償制度の新年度予算編成への影響をお尋ねになった次第でございます。この制度の具体的内容については、まだ確定はいたしておりません。農家への周知がまだできませんで、速やかな対応ができるか心配もしています。ここへ来まして、所得補償の財源を地方に求める意見等も出てきておりまして、国の予算編成を注視しているところでございます。 新しい政権の農業施策につきまして、従来の施策との整合性をお尋ねになりました。今回の事業仕分けでは、担い手支援に関する事業等におきまして、予算縮減等の評価がございました。認定農業者など、担い手の育成強化等に取り組んでおります本市にとりまして、厳しい内容と、このように受けとめています。戸別所得補償制度は、これまでの大規模農家に重点を置いた施策から、販売農家すべてを対象にする施策に転換するものと聞いています。大規模農家にとりましても、農地集積等によるコストを削減するほど所得がふえる仕組みと、このようにも聞いておりまして、今後、事業の効果を見きわめて、農協あるいは生産者と協議をし、適正に対応してまいりたいと思います。 次に、小規模農家の救済、それから産業としての自立強化、このように相異なる政策目標の両立には課題があるという御趣旨でございました。戸別所得補償制度は、小規模農家の存続と食料自給率の向上を目指すと、このようにお聞きをいたします。本市におきましては、農業従事者が減ってきて高齢化が進んでまいっております。認定農業者や新規就農者、また、集落営農組織等の意欲のある担い手の育成、生産性の高い営農への支援、これは継続をしなければいけないというふうに考えております。 現行の食料・農業・農村基本計画との整合性、このことについては、農林部長からお答えをいたします。 地域主権国家への転換ということでもって、義務づけ・枠づけの見直しにつきまして、自治体の判断、意識改革が重要になるというお話でございました。御趣旨はよく理解ができます。自治体がみずからの選択と責任において、地域の実情に合った施策を展開していくためには、国からの権限移譲は必要でございます。中でも、条例による法令の上書き権、これが自治体の裁量度を広めるために重要だというふうに思っています。市としても、これまでも独自条例によるまちづくりを進めてきておるわけでございますが、より一層職員の資質・能力を高めてまいりまして、住民との協働による自己決定・自己責任のまちづくりを進めていきたい、こう思っています。 基礎的自治体への権限・税財源の移譲に向けた市長の所信を問うということでありました。住民に最も身近な基礎自治体が、自分の権限と財源をもって住民の意思により地域のことを決定していく、実行していくということは、地方自治本来の姿でございます。その方向は少しずつ見えてきておるかなというふうな感じもいたしておりますが、基礎自治体への一層の権限と税財源の移譲、そして地方交付税の総額確保、これが重要でございます。この実現に向けた議論を進めるためにも、法律に基づいた国と地方の協議の場の設定、これを求めてまいりたい、このように思います。 県営事業負担金についてもお触れでございました。国が平成22年度の概算要求で直轄事業の維持管理費に係る負担金を廃止いたしましたことを受けて、全国知事会では、市町村負担を見直すということにいたしております。市長会におきましても、この7月に都道府県事業等に係る都市負担金の抜本的な見直しについて、知事会に要請をしたところでございます。本市といたしましても、石川県市長会を通じまして、県営事業負担金の見直しについて、県に要望をしてきていることでもありますので、これから個々の事情を十分に踏まえながら、見直しに向けた議論をしていかなければいけない、このように思っています。 地域主権にかかわって、金沢市の予算編成にこの考え方をどう反映させるのかというお尋ねがありました。明年度の予算編成方針では、「市民協働型の予算編成」ということを掲げています。市民から提案のあった政策の予算化、市民との協働による施策の推進に一層努めていくことにしたわけであります。現在、国家予算の編成過程にありまして、税制改正、子ども手当の創設、公共事業費の動向、また新しい医療保険制度の設計、こうしたことの詳細が示されておりませんので、情報収集に努めまして、必要とあらば、別途に追加の予算編成方針を示すと、こういうことも必要になってこようかということも思っておりまして、適切に対処してまいる所存でございます。 ○高村佳伸議長 米林農林部長。   〔米林憲英産業局農林部長登壇〕 ◎米林憲英産業局農林部長 国の食料・農業・農村基本計画と本市の現行施策との整合性及び基本計画改定についてお答えいたします。現在、国において、新たな食料・農業・農村基本計画の策定作業が進められているところであり、その結果を踏まえ、また、明年度から実施予定と聞いております米戸別所得補償モデル事業の経過を見きわめながら、現行の「金沢の農業と森づくりプラン」との整合性を検証し、プランの次期改定時に反映させたいと思っております。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○高村佳伸議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明15日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後3時8分 散会-----------------------------------   〔参考〕----------------------------------- 平成21年定例第4回金沢市議会              発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派名12月14日(月)122山野之義自由民主党212粟森 慨金沢民主327松井純一公明党49大桑 進日本共産党528森 一敏社民637玉野 道自民党12月15日(火)718黒沢和規自由民主党85小林 誠金沢民主98秋島 太公明党1029森尾嘉昭日本共産党111不破大仁自由民主党12月16日(水)123高岩勝人自由民主党136川 裕一郎金沢民主1430升 きよみ日本共産党1510山本由起子社民1617宮崎雅人自由民主党...